習近平氏が「絶対的権力」を得られない理由

自らの思想を党規約に盛り込んだのに…

党規約にその名前を冠する思想が盛り込まれた人物は、習近平氏のほか、過去に2人しかいない(写真:Jason Lee/ロイター)

10月に6日間にわたって行われた第19回中国共産党全国代表大会。その閉幕に当たって、約2200人の代表は、習近平国家主席の思想を党規約に盛り込むことを決めた。習近平時代の始まりが公式に告げられたのである。

党規約にその名前を冠する思想が盛り込まれた人物は、過去に2人しかいない。毛沢東氏と鄧小平氏だ。習氏の前に国家主席の座にあった江沢民、胡錦濤の両氏は、指導思想に自身の名前を入れることはなかった。

2つの政治的勝利

習氏の権力が、今や毛沢東氏や鄧小平氏といった重鎮中の重鎮に匹敵することは周知の事実だ。中国共産党指導部は明らかに、それを公認にしようとしている。

今回の共産党大会で習氏は、象徴的な意味で中華人民共和国の創設者たちが祭られる殿堂の仲間入りを果たすことになった。加えて同氏は、2つの政治的勝利を手にした。まず、何よりも大きかったのは、後継者を指名しなかったことだ。これにより、2022年以降の3期目も、習氏が国家主席として続投する可能性が開かれた。

政治力学は決定的に変わるはずだ。習派の政治家があらためて忠誠心を示す一方、習氏と一定の距離を保ってきた政治家も一気に習氏支持になびく可能性が高い。ライバルと見なされれば、徹底的に冷や飯を食わされるからだ。

2つ目の勝利は、側近2人を共産党最高指導部である政治局常務委員会のメンバーに昇格させたことだ。習氏の最側近、栗戦書氏は全国人民代表大会(全人代)のトップに就任する。全人代はこれまで党の決定を形式的に承認する場でしかなかったが、習氏から直接指示を受けて立法計画を推し進める場となるだろう。

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