「教えるプロ」学校の教師だって悩んでいる 「3つの手順」で具体的に進めよう

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2. 平常時と定期テスト時の勉強法をそれぞれに教える → スキルを伝授する

その教科に興味があっても、成績が伸びないということもあるでしょう。そうした場合は、過去記事でも何度か触れてきましたが、その子が「勉強方法を知らない」可能性を疑うべきです。

筆者はこれまで、多くの子どもたちを指導してきましたが、「勉強方法を知っている」生徒はめったにいませんでした。塾に入れば点数はある程度上がります。しかし、最も点数が上がる生徒は、自分の勉強方法を知っている生徒なのです。でも、なぜか、勉強方法を学ぶ場がありません。これではいつまでもできない、塾などの他者に依存しなければ点数が上がらないということになります。

そこで先生にしていただきたいことがあります。数学の場合は、平常時とテスト前の勉強方法が異なるため、それについて教えていただけたらと思います。また、特に数学は問題集を解くことがベースとなりますから、問題集の使い方、プリントの使い方を具体的に活字にして教えてあげるといいかと思います。

先生が自信を持って話せる具体的勉強法がいいでしょう。その方法を語るときには、「なぜその方法がいいのか」という理由も話してあげてください。単に「問題集は○○のようにやる」「テスト前はこの方法で!」と伝えても、子どもは簡単には納得しないでしょうから。

先生の対応によって人生が変わる生徒もいる

3. 以上のプロセスでもれてしまう生徒には、個別で話をする(補習の時間が取れれば取る)→ フォローアップ
『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

学校では学力別に分けて授業をしているケースはまれでしょうから、どうしてもついていけない子が出てきます。そこで、落ちこぼれそうな子には、フォーローアップが必要になります。

それは、授業内でも、授業後でも、別の日程でもよいと思いますが、いずれにせよ、何かしらの対応をしなければ、ついていけずそのまま終わる子は確実に出てくることでしょう。

もちろん、学校の先生は非常に多忙です。そんな時間は取れないという状況もあるでしょう。しかし、筆者が知るところでは、フォローアップをしっかりしている学校は現実に多数あります。また、このような対応によって人生が変わる生徒もいることでしょう。

日々子どもと向き合う学校の先生は、子どもの人生を変えてしまうだけのインパクトを持っています。これからの先生のご活躍を心より期待しています。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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