野村證券とSBIホールディングスを分析する アベノミクスのミニバブルで、驚異的な増収増益に 

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安倍政権発足から5月下旬までの間、国内の株式市場はアベノミクスへの期待によって急回復しました。特に「異次元の金融緩和策」が発表されてからは、ますます熱を帯び、日経平均株価は一時、1万5942円をつけました。まさにミニバブルが起こっていたのです。

日経平均は5月に1万5000円台をつけていた(撮影:尾形文繁)

そのため証券会社各社の4~6月期決算は、軒並み好業績となりました。株高の恩恵を最も多く享受したのは、証券会社だったと言えましょう。証券会社はこの株高によって、どれだけ業績が改善されたのでしょうか。そして、今後もそれが維持できるのでしょうか。今回は、野村證券とSBIホールディングス(以下、野村、SBI)の平成26(2014)年第1四半期の決算内容を分析していきます。

野村、SBIともに驚くほど業績が伸びた

今回、なぜ野村とSBIに注目したかといいますと、この2社は少し性格が異なる証券会社だからです。野村は、従来型の証券会社である「対面証券会社」、SBIはオンライン取引のみを扱う「ネット証券会社」です。野村でもオンライン取引を行っていますが、基本的には店頭での販売や営業マンと相談するスタイルを取っています。ネット取引ももともとは店頭での契約をした顧客が多いはずです。

「対面証券会社」は情報量が多く、相談にも乗ってもらえるために手数料が高く設定されており、「ネット証券会社」は情報収集から銘柄選びなどすべて利用者に委ねられていますが、手数料は格段に安いという特徴があります。ネット時代なので、利用者にとって取引をしやすいのは「ネット証券会社」のほうだと言えますね。
 さて、この2社の業績は、株高の影響をどれだけ受けたのでしょうか。まずは野村の決算内容から見ていきましょう。

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