小泉進次郎氏が推進する「こども保険」の正体 日本は「社会で子どもを支える国」になれるか

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藤沢烈さんに「こども保険」について教えてもらいました(撮影:尾形文繁)
衆議院議員総選挙が終わり、第4次安倍晋三内閣が発足しました。総選挙のマニフェストには「子育て支援」の財源を消費税アップで賄うことが発表され、選挙後には、保育所整備に向けた企業拠出金の増額が検討されています。
一方、「選挙の顔」として大活躍だった小泉進次郎氏は、子育て世代への支援策として「こども保険」を提案しています。この政策を提言した「2020年以降の経済財政構想小委員会」(委員長代行:小泉進次郎)のオブザーバーを務め、その議論の推移をまとめた『人生100年時代の国家戦略――小泉小委員会の500日』を執筆した藤沢烈さんに、詳しくお話を伺いました。
まずは「こども保険」って、どんなものなのでしょう?

「こども保険」は社会保険の新ジャンル

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木本:まずは「こども保険」についてわかりやすく教えてください。

藤沢:社会保険の新しいジャンルです。そもそも、社会保険って何かわかりますか。大きいものは3つあります。

木本:それ少し予習をしてきたんですよ。年金、医療保険、介護保険ですよね?

藤沢:正解です。それでは、社会保険と普通の保険、2つの違いがわかりますか?

木本:難しいですね。掛け金が違うとか?

藤沢:社会保険は基本的には全員加入です。生命保険などの普通の保険は、保険料のみで運営されます。一方で医療保険や年金は、国のおカネで補助されるんですね。また社会保険では高所得者ほど保険料が高く、低所得者ほど保険料が安くなっています。ですから、社会保険を普通の保険と同じものと考えてはいけません。

では、年金、医療保険、介護保険の共通点はわかりますか。それがこども保険を設立しようとする理由なんですが。

木本:共通点、ちょっと想像がつかない。年を重ねるごとにリスクが高くなるという感じがしますけど?

藤沢:そのとおりです。主に高齢者のために使われているのが共通しているんですね。年金は65歳から支給。医療保険も介護保険も、高齢者がより使っています。ですが、社会でいつおカネが必要かというと、子どもを産んだときも、とてもおカネがかかりますね。

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