医師が警告!「3歳までの育て方」ここに注意 「先回り、夜更かし…」その認識は正しい?

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2歳ころまでは「助けが必要な時期」ですが、2歳を過ぎるころからは「支える時期」に入ってきます。

【4】2~3歳は「ひとりの人間として尊重する」

もちろん、親が子どもを見守っていくのは変わりませんが、子どもを「ひとりの人間として尊重する」ように接していくと、子どもは「自分は認められた人間」と思えるようになり「自己尊重」が見られるようになります。

逆に、子どもが何か言おうとしているところを遮ってしまうと、萎縮して「自分の意見が言えない子」になってしまうかもしれません。

そんなときは、子どもの気持ちを、できるだけ言葉で表現させるようにしてみましょう。自分の気持ちを言葉で伝えようとすると、「前頭前野」が発達して感情と理性の統合を促し、「セルフコントロール」と「自己表現」を学習することができます。

ここでも、「子どもの行動の先回りはしない」ことと「子どもの言葉を否定せず、きちんと話を聞いてあげる」ことが大切です。

3歳までの育て方で、子どもの人生は大きく変わる

子どもの成長とともに、親の接し方も少しずつ変えていくことが必要ですが、子どもと一緒に親も成長していくので、「必ずこうしなければならない」ということはありません。

「間違ってしまったかも」「失敗してしまったかも」と思うこともあると思いますが、「その間違いや失敗に気づく」ことも大きな一歩です。

小児科医として25年以上、多くの子どもたちと接してきて感じるのは、「3歳までの育て方で、子どもの人生は大きく変わる」ということです。

ぜひ、「3歳までの子どもと上手に接するコツ」を知り、親子が笑顔で過ごせる時間を、少しでも増やしてほしいと思います。

白川 嘉継 小児科医師、福岡新水巻病院周産期センター長

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しらかわ よしつぐ / Yoshitsugu Shirakawa

1959年、福岡県生まれ。産業医科大学医学部医学科卒業。医学博士(小児科学)。

福岡新水巻病院周産期センター長。小児科医師。みずまき助産院ひだまりの家顧問。日本女性生涯支援協会理事。

産業医科大学新生児集中治療室医長、同大学小児科学講師、福岡看護専門学校水巻校長等を歴任。

専門領域は小児科学、特に新生児学。25年以上にわたり、小児科医師として、新生児、未熟児の医療、発達障害児、情緒障害児の医療に携わる。特に新生児の健診では4万7000人以上に携わり、面接した家族は2万2000家族を超える。

医療関係者のみならず、助産師や保育士、教育関係者からの支持も厚く、幼少期の養育環境と子どもの発達をテーマにした講演会を、全国で数多く行っている。

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