iPhoneX、「操作性への懸念」は払拭できるか 気になる"使い勝手"をチェックしてみた

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言葉で書くと雰囲気がつかめないかもしないが、従来からのiPhoneに慣れている利用者も、ホームボタン相当の操作とコントロールセンターの呼び出し。この2つを知っていれば、特に問題なく使えるはずだ。

次に懸念していたのは、画面の縦横比が変化したことによるアプリの互換性だ。縦横比が変化するため、iPhone Xの大画面を生かしたアプリとするには、あらためてユーザーインターフェースのレイアウトをしなおさねばならない。iPhone X向けにレイアウトし直さないアプリは、あまりよいデザインに見えないのでは……と考えていた。

しかし、実際には上下に黒帯(下帯にはホーム操作時の目安を示す横方向のバーが表示される)が表示されて表示エリアが16:9に制限され、まるで従来のiPhoneを操作しているかのように使える。つまり、従来レイアウトのアプリは(iPhoneより少し大きめ、iPhone Plusよりも少し小さめの表示ながら)これまでどおりと同じ感覚ということだ。OLEDディスプレーの黒が沈んでいるため、黒帯表示とベゼルの境目は気にならない。

アプリによりキーボードレイアウトが変わる

iPhone X非対応のLINEではキーボードレイアウトが異なる(筆者撮影)

一点、違和感を感じるとするなら、キーボードレイアウトがiPhone X対応アプリとそれ以外で変化することだろうか。iPhone X対応アプリはディスプレーが縦長になることを前提に、言語切り替えボタンがキーボードレイアウト外、下側に外れ、その分、キーレイアウトに余裕が出るため打ちやすくなる。しかし、新旧レイアウトの異なるキーボードがアプリの対応状況に応じて混在することになる。

最後にFace ID。アップルは発表当初より、指紋認証のTouch IDより優れた点として「速さ」「正確さ」の2点を繰り返し訴求していた。このうち「速さ」に関しては、実際に使ってみればすぐにわかる。どんな状況でも、iPhoneの前で目線を向ければ(オプションでオフにもできるが、デフォルトでは“見つめる”必要がある)即座に個人を認識してくれる。

しかし、もう1つの「正確さ」には、いくらTouch IDよりも正答率が高く、誤って認識する確立は100万分の1でしかない……といったところで疑わしいと思っている人はいるだろう。

たとえば筆者はこの1年で49キロ減量したのだが、その結果、顔つきはかなり変化している。そこまでの急激な変化はないにしろ、伸ばしていたヒゲを剃るなどの変化は考えられるだろう。

しかし、ここではiOS11とA11Bionicの機械学習機能が働いているのだという。

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