米国経済の正常化、「設備投資」が決め手

景気・経済観測(米国)

9月に入って早々、米国では大型企業買収の発表が相次いだ。マイクロソフトによる携帯電話大手ノキアの買収、そして、通信大手ベライゾン・コミュニケーションズによるベライゾン・ワイヤレス(英ボーダフォンとの合弁会社)の完全子会社化である。とりわけ、後者の買収額は1300億ドルと、史上3位の規模になる見通しだ。

ノキア買収に際してマイクロソフトのバルマーCEOが「これは将来に向けた大胆なステップだ」と語ったように、両社は買収を通じて、今後の事業拡大を見据えた一手を打った格好である。

もっとも、将来に対する前向きな動きは、この両社に限ったものではない。米国ではM&A件数が景気後退前のピークに近い水準まで回復しているほか、企業業況を表すISM指数などの経済指標も改善しており、米国の企業部門は徐々に回復の動きを強めつつあるようだ。

こうした企業活動の持ち直しが経済全体の回復にどの程度波及するのか、それを推し量るバロメーターとして、当地では設備投資の動向に注目が集まっている。

金融危機後の設備投資回復は鈍い

これまでを振り返ると、2009年半ばに景気が回復局面に入ったにもかかわらず、企業が設備投資に対して積極的とは言えない状況が続いてきた。設備投資は金融危機後の落ち込みが非常に大きかった割に、その後の回復は鈍いものにとどまっている。GDP統計の実質設備投資額を見ると、今回の景気後退局面ではピーク対比で約2割と急激に落ち込んだ。落ち込み幅は戦後最大で、金融危機の影響の大きさを物語っている。

 しかも、底を打ってから現在まですでに3年半が経過したが、依然として実質設備投資額は既往ピークの水準まで回復していない。本来であれば、景気後退によって先送りされた多くの投資案件が景気回復局面に実施され、設備投資の持ち直しを後押しするはずだが、今回に限ればそうした期待が裏切られた格好だ。

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