リクルート「最強の営業」が卒業を決めるまで 「5つの名刺」を駆使する森本さんの仕事論

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「一人多職」の重要性を、転職エージェントの仕事を通じて痛感してきた森本千賀子さん(撮影:梅谷秀司)  
「起業」という言葉は、起業家のためだけにあるものではない。「業(なりわい=仕事)を起こすこと」は、組織の中でもできる。いやそれどころか、新しいビジネスを生み出さなければならない組織人にこそ必要とされるアクションだろう。
さあ立ち上がれ組織人。今、あなたの立場で、業は起こせる。それも、上手にやれば大規模に。本連載では、会社をはじめとする「大組織」で、“変わり者”だと思われても“変えること”に挑み、新たな仕事をつくり出す「組織内変人」を紹介する。

 

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志望した会社(組織)に入れなかった。希望の職種に配属されなかった。でも、生活していくためには、やりたくなくても目の前のことをやるしかない。ああ、自分は定年までずっと、この仕事を続けなければならないのだろうか……。

平均寿命が伸長し、「人生100年」といわれる時代、働く期間も長くなりつつある。その間、つらい仕事「一職」に従事し続けるほど息苦しいことはない。

そこで今日は、「人生は一度きり! やりたいことは全部やっちゃえ!」とばかりに、一人で「多職」を実践している変人をご紹介しよう。

「一人多職」のスーパーエジェント

1枚、2枚、3枚、4枚、5枚……。

「普段から全部配っているわけじゃないですよ。今日はあえて持ってきたんです(笑)」

そう言って、人懐っこい笑顔で次々に種類の異なる名刺を取り出したのは、森本千賀子。転職エージェントを生業としながら、自ら起こした会社「morich(モリチ)」の経営、NPOの理事、他社の社外取締役など、複数の仕事に携わる女性だ。

インタビュー開始前、机の上には「トランプ」ができるくらい多種多様なカードが机に並んだが、森本さんが一番初めに手にしたのは、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)の名刺だった。彼女は同社で累積売上高歴代トップを誇る伝説の営業ウーマンだ。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられるなど、業界でその名を知らない者はいない。そんな彼女だが、実は今年9月にリクルートを去っている。約25年勤めたリクルートでのキャリアを振り返ってもらった。

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