英語が下手でもシリコンバレーで戦える! 日本のベンチャーが抱える”3つの課題”

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「日本のベンチャーシーンにある3つの壁を壊して、橋を架ける」――。
今回の対談は、伊佐山元氏が立ち上げた新会社WiLの共同創業者である西條晋一氏と松本真尚氏の2人それぞれと「シリコンバレーと日本をつなぐ」「日本の大企業のオープンイノベーションを支援する」というミッションについて語る。
まずは、サイバーエージェントで長年、藤田晋社長の右腕を務め、2010年から米国法人のトップを兼務し、シリコンバレーでも活躍した西條氏と「これからの日本のベンチャーのあり方」をテーマに話し合う。
西條氏は、伊藤忠商事を経て、00年にサイバーエージェント入社後、ベンチャーキャピタル事業のシーエー・キャピタル(現サイバーエージェント・ベンチャーズ)やゲーム事業のジークレスト、FX事業のサイバーエージェントFXの立ち上げを行い、それぞれの代表取締役として活躍した。2012年10月にサイバーエージェントを退社(当時、専務取締役)、藤田社長から「40歳で起業する西條君の活躍を期待している」と応援される、業界で知らない人はいない存在だ。

なぜ今、シリコンバレーと日本をつなぐべきか?

伊佐山元(以下、伊佐山):日本は今、スタートアップブームと言われていますが、海外から見るとまだまだ小さい。世界中から人が集まるシーンというよりは、国内のみで盛り上がっている印象です。夏祭りで例えるならば、近所の人が来る商店街のお祭りに近い。もちろん、それはそれで必要ですが(笑)。

シリコンバレーをはじめ世界では、日本のクオリティや高い技術力にあらためて評価が高まっているのに、今のままのやり方では、商店街のお祭りが増えるだけで、全国規模、グローバル規模にならないのではないか――という問題意識があります。

たとえば、海外のベンチャー系イベントひとつとっても派手さと規模が違います。ちょうど9月にサンフランシスコでテッククランチのイベントがありますが、入場料が1人3000ドル(約30万円)。それでも、世界中の重鎮から注目される若手経営者までを集めているから、チケットは売り切れるし、会場は人でごった返している。そういう“世界基準”で考える必要がある。

私たちが今、「シリコンバレーと日本をつなぐ」というミッションの新会社を立ち上げる理由は、日本のベンチャーシーンにある3つの壁を崩して、それぞれに橋を架けたいという想いがあるからです。

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