三菱自、ゴーン流で拡大路線に転換できるか 世界販売を3年間で4割増、強気計画の真実味

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このうち6車種は新規モデルまたはフルモデルチェンジだ。特に「アウトランダー」「エクリプス クロス」「RVR」「トライトン」「パジェロスポーツ」の主力5車種でグローバル販売台数の70%を担う計画(現在は60%)だ。

益子社長は「この3年で発売する車は日産・ルノーアライアンスに入る前の開発だ。厳しい中でも開発をあきらめなかった。新車はぜひ成功させたい」と意気込む。さらに2020年以降は軽自動車とSUVの電気自動車(EV)投入も計画している。

新車投入と並んで成長戦略の柱とするのが、各市場の深掘りだ。中核市場のASEANは以前から三菱が得意とする市場で生産能力の4割が集中している。インドネシアではトライトンや「パジェロ」が人気で1割近いシェアを占める。

今年稼働した同国の新工場で生産する「エクスパンダー」は受注が2万6000台と好調な出足で、今後は日産にもOEM(相手先ブランド生産)で供給する。新車をテコに、ASEANでの年間販売台数を2016年度の20万6000台から2019年度に5割増の31万台まで増やし、シェアを2ケタ台の10%(現在8.3%)に乗せたい考えだ。

米国と中国も販売網と商品でテコ入れ

三菱自動車は主力の「アウトランダーPHEV」を2017年中に米国にも投入する計画だ。(撮影:尾形文繁)

手薄だった2大市場の米国と中国でも巻き返しを図る。米国では年内に新たにアウトランダーPHEV(プラグインハイブリッド)を投入するなどして、2019年度に3割増の年間13万台の販売を目指す。中国ではディーラーを400店に倍増。現地生産を開始したアウトランダーをはじめ、EVやPHEVを含めた商品の拡充を急ぎ、2019年度までに販売台数を2.5倍の22万台に引き上げる。

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