「オワハラ」で他社の内定辞退を強要する実態 就活生はこうして誓約書や言質を取られた

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他社の選考辞退を条件に内定を出す「オワハラ」の事例はあとをたたない (写真:StudioR310 / PIXTA)

就職活動で使われる、さまざまな就活用語。用語にはいろいろあるが、登場した時期によって傾向が異なっている。

1990年代前半に生まれたのは、「自己分析」「SPI」「ES(エントリーシート)」などだ。就職準備の場面で使う言葉が多い。その後、「就職活動」を縮めた「就活」という言葉が登場。合同企業説明会を縮めた「合説」や、「GD(グループ・ディスカッション)」など、活動そのものを指す言葉が広まっていった。

ここ10年間でも新しい就活用語が誕生している。「お祈りメール」「サイレントお祈り」「オヤカク」など。就活の準備や活動を指す言葉ではなく、採用結果に関するものばかりだ。そうした言葉の一つに「オワハラ」という言葉がある。今回はオワハラが意味する、就活の裏側について考えてみたい。

2年前の新卒採用で登場した就活用語

オワハラとは「就活終われハラスメント」のこと。企業が学生に対し、就活を終わらせて、自社に入社するよう圧力をかける行為を指す。「就活を終わらせる」とは、イコール、他社の選考への参加や内定を辞退することを意味する。要するに、他社への内定辞退や選考辞退を内定出しの条件にしたり、内定を出した後に強要・示唆したりすることだ。

この10年間に登場した就活用語は、ネット上の学生の書き込みから発生したものが多く、登場した時期が正確にはわからない。しかし、オワハラに関しては、普及していった経緯はわかっている。

2016年新卒採用は、新卒採用の歴史の中でも特記される年であり、政府の要請で、経団連が指針を「4月1日面接選考解禁」から「8月1日面接選考解禁」へと大きく変更した。選考が4カ月も後ろ倒しされたことによって、採用現場が混乱し、学生に対する囲い込みが激化したのである。

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