消滅危険度日本一の村は「自民党安泰」だった 村長は政策の継続性が重要だと強調

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 10月17日、東京や大阪の大都市圏では、希望や立憲民主、維新などの政党が話題に上る今回の衆院選。だが、一歩地方に足を踏み入れると、揺るぎのない「自民一強」の風景が広がる。写真は群馬県南牧村、12日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[南牧村(群馬県) 17日 ロイター] - 東京や大阪の大都市圏では、希望や立憲民主、維新などの政党が話題に上る今回の衆院選。だが、一歩地方に足を踏み入れると、揺るぎのない「自民一強」の風景が広がる。

「日本一高齢化の進んだ村」と知られる南牧村では、全人口に占める有権者の割合と投票率が高く、「改革」、「リセット」よりも政策の継続性が重要視されている。

「私は、昔から自民党一本。他の政党の人は絶対当選できないよ」──。73歳の今井力氏はロイターの取材に力強く語った。「僻地(へきち)に住んでいると、中央との太いパイプがあったほうが災害が起きた時など、うんと頼みやすい。そういう人たちを応援しないとダメな村なんです」と話す。

「日本一消滅する危険性が高い自治体」

群馬県南牧村。2014年5月に民間シンクタンクの日本創成会議が発表した人口推計で「日本一消滅する危険性が高い自治体」とされた。その後も人口は減少を続け、現在では2000人を切っている。

長谷川最定村長によると、毎年自然減を含め100人程度人口が減っているが、700人―800人程度になった段階で止められるよう、村では移住促進などの対策を取っている。

「人口減少対策なんて、1年でできるわけがない。地方創生の5年の枠組みの予算が切れても、それで終わりではなく続けてほしい」。村長は政策の継続性が重要だと強調し「政権が変わるのは怖い」と話す。

しかし、安倍晋三首相が雇用を改善させ株価を上昇させたと胸を張るアベノミクスの果実は、村には全く届いていないという。

「3本の矢だと言うが、村中見回しても1本も届いていない。1000本くらい撃ってもらわないとだめなのではないか」と言う。

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