ホームドア「取り付け」は難しいわけではない 設置までの計画や準備に長い時間が必要だが

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東京メトロ東西線九段下駅で行われたホームドアの設置作業(撮影:大澤誠)

日本でもトップクラスの混雑路線として知られる東京メトロ東西線。試験目的を除けばこれまでホームドアが設置されていなかった同線で9月末、ついに取り付け工事が始まった。

最初に設置されたのは、東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線との接続駅であり、東京メトロ全体では16番目、東西線が乗り入れる駅としては5番目(2016年度)に乗降客数の多い九段下駅。9月29日の終電後、まず西船橋方面行きホームに取り付けられ、その様子はメディアに公開された。

まだドアの使用は始まっておらず、さまざまな調整を終えて稼働するのは来年2月ごろの予定だが、東西線のホームドア設置計画にとっては重要な第一歩。真新しいホームドアが据え付けられた深夜3時過ぎのホーム上で、プロジェクトを進める同社鉄道本部鉄道統括部の井上篤史・計画課長補佐は「クリアすべき難関が多かったので、感無量です」と語った。

東西線の「難関」とは?

東京メトロは今年6月、2025年度までに全9路線・全179駅へのホームドア設置計画を決定したと発表した。すでに副都心線など4路線でホームドアを完備し、ほかの路線でも設置を進めている同社だが、実はこれまで全駅への設置計画は固まっていなかった。

最後まで残っていたのは東西線だ。同線についてはこれまで、2019年度末までに優先駅6駅に設置することは公表されていたものの、全線への整備時期は未定だった。といっても、決して「放置」していたわけではない。同社によると、東西線のホームドア整備計画は5年ほど前から始まっていたという。同線の計画がラストになったのは「クリアすべき難関」があったためだ。

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