日本の「破綻」は、もはや杞憂と言い切れない

大義なき選挙戦の裏で財政再建が置き去りに

現在の日本国債の金利は10年物長期国債でも0.044%(10月6日現在)しかない。つまり、金融機関が日本国債を買おうとしても、その保証料として0.38%のCDSスプレッドを支払えば、いわゆる「逆ザヤ状態」になってしまう。

30年物の超長期国債でも利回りは0.88%。10年未満のものはマイナスの利回りがついている。これでは、銀行などの金融機関は投資できなくなり、日銀も「逆ザヤ」の日本国債を大量に抱えることになるわけだ。

アベノミクス=異次元の量的緩和が始まって以来、日銀は毎年80兆円の国債を買い入れてきた。その影響で、国債市場は民間銀行などが国債の保有率を半減させてきた。この異次元の量的緩和政策で最も困っているのは銀行といっていいだろう。

わかりやすく解説すると、日本の銀行にとって国債は「おコメ(主食)」であり、最も安定した収益の柱となってきた。ところが、そのおコメをお上(日銀)がバカ高い、法外なおカネ(超低金利)で買い集めることになった。民間銀行は、背に腹は替えられずにどんどん売却していき、いまやその残高は半分以下になってしまった。それが現状だ。

結果的に、現在の国債市場には「閑古鳥」が鳴いている状態といっていい。三菱東京UFJ銀行のように、財務省の国債発行入札に参加できる資格「プライマリーディーラー」を返上するところも現れた。

問題なのは、こうした日銀の国債買い上げが未来永劫続かないことだ。現在、日銀の8月末時点の国債買い入れ残高は約435兆円に達している。日本のGDP(国民総生産)にも届きそうな金額といえる。古今東西、こんな状況に陥ったのは戦時中を除けば、先進国では日本ぐらいだ。

しかも、日銀の黒田総裁は今後も、現在の政策を続けていくと明言しており、自民党政権が目指してきた2020年までにプライマリーバランスの黒字化という「公約」も、安倍政権は延長してしまった。ほかの政党も、財政再建には手をつけようとしない。

異次元緩和の限界は最長でもあと3年?

では、日銀は現在の異次元の量的緩和、マイナス金利、金利操作(イールドカーブ・コントロール)といった異質な金融政策をいつまで続けられるのだろうか。ポイントを整理すると次のようになる。

異次元の量的緩和……単純計算すれば、年間80兆円の国債を買い入れていけば、2022年までにさらに400兆円が上積みされて835兆円に達する。その頃には、国債発行残高も1200兆円近い金額になっているとはいえ、8割近い国債が日銀に買い上げられることになる。しかも、2020年には東京五輪があるから財政出動はもっと活発になるはずで、おそらく9割近い国債が日銀のマネタリーベースの中に組み込まれるはずだ。

仮に、日銀がこのまま物価上昇率2%を達成するまで、国債を買い続けるのであれば、あと3~4年で戦時中でもないのに、すべての国債を中央銀行が買い上げる「財政ファイナンス状態」に陥る可能性もあるということだ。

日銀が自ら「バブル」を演出している状態といえる。ただ、歴史的に見て、バブルは必ず崩壊する。

次ページ再び金融緩和に転じたとき…
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