希望の党「ドタバタ劇」で笑っているのは誰か 「大山鳴動して安倍さんニンマリ」という現実

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10月8日には小泉進次郎筆頭副幹事長が渋谷駅前のスクランブル交差点で街宣した。自民党青年局が主催し、野田聖子総務相や丸川珠代参議院議員も参加したが、とりわけ人気だったのが進次郎氏。街宣車に乗るまでにもみくちゃにされ、街宣が終わった後も人が押し寄せる。そうした余裕からだろう、進次郎氏はこう述べた。

「今日、私は小池さんをはじめとする希望の党や、他の野党のことを批判する気はありません。その1つ目の理由は、いくらでもネタがあるから、話し始めるとキリがない。2つ目の理由は、都民のみなさんが毎日の報道を見ていて、私たちが説明するまでもなく、見抜いていると思うからです」

希望の党を率いる小池代表に対する痛烈な皮肉は、国政への転身をけしかけた進次郎氏に対して「進次郎さんもキャンキャンはやしたてているようだが」とやり返した10月3日の小池代表の言葉への“返礼”といえる。

特定秘密保護法の成果を強調

翌9日には銀座4丁目交差点で、河野太郎外相と小野寺五典防衛相による共同街宣「みんなで考えようニッポンの平和」が行われた。その前々日、希望の党の小池代表が日本維新の会の松井一郎代表や河村たかし名古屋市長とともに演説したのと同じ場所だ(正確にいえば、晴海通りを挟んで反対側になる)。

集まった人の数は小池代表らのときに及ばないが、それでも多くの人が足を止めて聞き入った。

銀座での河野太郎外相と小野寺五典防衛相による共同街宣(筆者撮影)

「この総選挙、戦後自民党が築いてきた日米同盟を基軸とする安全保障体制を続けていくのか、この北朝鮮危機の中でそれを変えるのか、それが問われている」。河野外相は米軍をはじめ世界各国からの情報が集められ、それを分析することで北朝鮮の情勢がわかるようになったと説明。それができるようになったのは、特定秘密保護法が成立して、日本政府から機密が漏れることがなくなったからだと力説した。

「平和安全法制にしても同じだ。日本のまわりで日本を守るために警戒している米軍に対し、きちんと普段から支援活動ができるようになった。平和安全法制がなかったら、いまのように日本と米軍がきちんと機能しえなかった」

翌10日は北朝鮮の創建記念日で、今年は70周年に当たる。すでに北朝鮮は米国西海岸射程のミサイル発射準備を行ったと報道されており、油断はできない状態だ。

引き続きマイクを握った小野寺防衛相も、北朝鮮危機を訴えた。

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