ハワイ・欧州にも飛べるLCC「スクート」の実力 大手エアラインも焦る、LCC新時代は混戦模様

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シンガポール航空傘下のLCC(格安航空会社)、スクートの中長距離路線はすべて、ボーイング「787」型機で運航されている(写真:Scoot)

全日本空輸(ANA)が2019年に超大型機「A380」を導入、日本航空(JAL)は米ハワイアン航空と包括提携、LCC(格安航空会社)として初めてマレーシア・エアアジアXが参入――。

これらはすべて、日本とハワイを結ぶ航空路線のことだ。今後の競争激化に備え、各社とも入念な戦略を打ち出している。

そんな混戦模様のハワイ路線に、新たなプレーヤーが殴り込みをかける。シンガポール航空傘下のLCC、スクートだ。12月19日に、シンガポール―関西―ホノルル線を就航する。

ホノルルまで1.8万円という破格の値

「路線を決めるに当たって重要なのが、需要が満たされているかどうかという点。ハワイの場合は、航空マーケットが需要に追いついていない」。スクートの日本・韓国支社長、坪川成樹氏はそう指摘する。

激安の就航記念キャンペーン価格を発表したスクートの日本・韓国支社長、坪川成樹氏(右)と、ハワイ州観光局のミツエ・ヴァーレイ局次長(記者撮影)

10月4日から5日間限定で販売した就航記念キャンペーンでは、関西―ホノルル線が往復1万8800円からという破格の値で販売された。「諸税を抜いたら往復で8900円ほどになる。圧倒的な運賃体系で差別化する」と、坪川氏は胸を張る。

正規割引の公示運賃も2万2000円からという設定だ。ただ空席状況などで価格が日によって大きく変動するのがLCCの特徴であり、つねにこうした価格で販売するわけではない。年末年始の繁忙期では片道で10万円前後になっている日もある。

スクートが強みとするのは、機材設備。同社の中長距離路線はすべて、米ボーイングの「787」型機で運航されている。ホノルル線に投入される787-8型機はエコノミークラスが311席、高価格帯の「スクートビズ」が18席だ。

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