トヨタ「クラウン マジェスタ」の葛藤 レクサスともせめぎ合う“最高峰”、6代目に刷新

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既存客はレクサスにグレードアップかダウンサイジング

河野氏によれば、マジェスタから他車種に乗り換えるユーザーの傾向は、「レクサスの上位車種に(グレードアップ)するか、マジェスタよりも小さな車にダウンサイジングする(乗り換える)傾向がある。輸入車にはあまり行かない。高齢ユーザーが多いためかもしれない」という。

マジェスタはトヨタの“最高峰”でありながら、販売は既存客の乗り換えが中心で新規客の開拓はあまり進まず、レクサスという「内なる敵」ともせめぎ合っている。それでも車両本体価格600万円を超える高額車が、月に数百台も売れるというのはトヨタにとって貴重な収益源。車としては完成度の高いマジェスタだが、基本方針は「攻めではなく守り」。何とも悩ましい立ち位置にいる。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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