シリア危機で高まる、”石油”への注目

投資戦略、米緩和縮小で困難に

9月6日、シリア情勢の悪化が招きかねない市場の変動から身を守ろうとする投資戦略は、米FRBの緩和縮小によって困難になっている。写真はニューヨーク証券取引所のトレーダー(2013年 ロイター)

[ロンドン 6日 ロイター] - シリア情勢の悪化が招きかねない市場の変動から身を守ろうとする一部の投資家は、最高格付けの国債に代わる投資先として石油に注目している。

多くの投資家は、巨大な国債市場がもたらす流動性と引き換えにある程度の短期的な痛みに耐える構えだが、米国債と独連邦債の年間損失が1990年代半ば以降で最大になるとみられるなか、石油はより良い投資先として注目されている。

一部のアナリストは、米国の対シリア軍事介入に他国も加わる場合、原油価格が20%超上昇する可能性があると指摘する。UBSのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ラミン・ナキサ氏は「当社の原油チームは、全面戦争シナリオでは原油価格が1バレル=150ドルまで上昇する可能性があると考えている」とし、「われわれはエネルギーをオーバーウエートとしてきた」と述べた。

地政学的リスクが高まった、コソボ紛争、イラク戦争、リビア内戦に至る過去の危機では、流動性の高い米国債か独連邦債が完璧な投資先で、投資家は影響がより明確になるまで米国債や独連邦債に資金を待機させた。いったん影響が明らかになると、これらの市場は比較的速く上昇していた。

だが今回、投資家が資金をこのような国債に置いておく戦略の魅力は薄れている。米連邦準備理事会(FRB)が国内経済を刺激するため続けてきた大規模な債券購入プログラムの縮小を計画する一方、他の主要な西側諸国はようやく成長の兆しを見せている。

国債の信用度や、現金同様の取引が可能であるという安全資産としての重要な特徴に変わりはないものの、こうした状況が、事実上20年間続いた国債の上げ相場の終了につながった。

スイスフランや金などの他の安全資産も同様の問題を示す。スイスフランと金はともに、金融システムへの懸念を背景に相場が高すぎる事態に陥った。

石油と同様に、エネルギー関連株あるいは中東の紛争時に上昇する傾向のある通貨への短期的な需要は高まりつつある。これとは別に、オプション市場で、ボラティリティが現在の低い水準から上昇する場合の利益を狙った取引を設定することも、数少ない代替投資の一つとみられている。

先のナキサ氏は「地政学的イベントがあるとき、ボラティリティは常に急激に高まる。現時点では明らかにボラティリティは極めて限定されている」と述べた。

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