YouTubeで芸能人がバズらない「本質的理由」 人気化する一般人には“戦略"がある

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フォロワー数とPV数に大きな差が出るのもYouTubeの特徴。面白いと話題になれば、ファンじゃない人も大勢見るのです。

YouTubeでは、「○○は本当か検証してみた」のような動画が投稿され、大きな反響を呼ぶことがあります。テレビが尖ったことをやろうとすると、すぐに批判されてしまう今の時代、「電波少年」(1992~2003年まで日本テレビ系列で放送されたバラエティ番組)のような、リアルなバラエティを求めている層の受け皿になっているのです。

テレビとYouTubeは何が違うの?とお思いの方もいるかもしれませんが、視聴者が求めているものが根本的に違います。

テレビは台本があって、プロデューサーがいる。大勢の人によって作られた世界観、ある種の予定調和を楽しむものです。一方、YouTubeは、ユーチューバーが企画から出演、撮影、編集まで1人でこなす。撮った動画を即日公開することも普通です。

視聴者はユーチューバーの「リアルな今」、どんな結果になるのか読めない内容をワクワクしながら楽しむのです。

私も撮影から編集、アップまですべて1人でやっています! PV数は100万回を超えるものも

 

テレビのようなクオリティの高さはないけれど、かわりに圧倒的なリアルさとスピード感、視聴者との距離感の近さがある。それがYouTubeなのです。

芸能人の動画がバズるとは限らない!

だから、知名度のある芸能人が人気ユーチューバーになれるか?というと、そうとは限らないのです。

アイドルやモデルなど、女性芸能人が続々とYouTubeを始めていますが、動画の視聴回数は5000回程度と、知名度の割には伸びないことも。Twitterやインスタでは10万人以上のフォロワーがいる人であっても、です。

私はその理由をこう分析しています。「メインはテレビだけど、今流行っているし、とりあえずYouTubeもやっておくか」という事務所の意向が、視聴者に漏れ伝わってしまっているから。

スマホ世代と言われる若者は、毎日大量の情報に触れているので、情報を見極める力がとても高い。動画の中に事務所の意向が感じられたり、本人が作っていない感じが見えてしまうと、途端に冷めてしまうのです。

次ページリアルさに視聴者は共感する
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