大和証券の成約率2.7倍、鍵を握るAI活用 AI×マーケティングで成果を生む組織とは

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AI(人工知能)という言葉は、今やニュースメディアを眺めていれば見ない日はない。

膨大なデータを自動学習することで、生産現場の製造設定における最適解を見つけ出す、過去の不正データと類似する動きを自立的に発見し不正を検知する、統計などの専門知識が必要とされてきた解析業務の生産性を飛躍的に向上させる――。これらはすべてAIの実際の導入実績だ。あらゆる業種・業態でAIの導入が進んでいる。

大手証券会社の大和証券もAIの活用を積極的に進めている。2015年9月、同社の営業企画部AI推進室が、AI技術を活用した顧客分析・営業支援システムを構築し、成果をあげている。

成約率は2.7倍、解約率は半分に

「社内には、お客様の属性情報や取引情報、マーケットに関する膨大なデータの蓄積がありますが、それを使いこなせていませんでした。これらのビッグデータをより有効に活用するため、AI技術でデータ分析し、営業員を支援するシステムを開発・導入しました」と、AI推進室長・長谷川理氏はAI導入の経緯を語る。

大和証券が導入したのは、AI技術を搭載したマーケティング高度化ソリューション「SAS® Customer Intelligence」だ。顧客属性や保有資産の状況など膨大なデータをAI技術で分析することで、データに潜む傾向やパターンを発見し、それを数式化した「モデル」が自動で構築される。そのモデルを当てはめることで、顧客一人ひとりの商品別購入確率や離脱しそうな顧客などを予測することができるのだ。これにより顧客を深く理解し、顧客一人ひとりのニーズにあった最適な商品提案やタイムリーな顧客フォローが可能となるのだ。こうした働きかけにより、対象商品の成約率は2.7倍、解約率は半減したという。

大和証券
営業企画部 AI推進室長
長谷川理

証券業務は、膨大な個人顧客と向き合うリテールビジネスだ。限られた人員で、膨大な顧客にきめ細やかなサービスを提供するのは容易ではない。それをAIが補完し、ビジネスの現場でたしかな成果を上げている。いわば、一人ひとりの顧客ごとに、次に提供すべき「最善手」をAIとともに考えているわけだ。

こうした取り組みは、今では現場の営業員からも評価され満足度は84%と高い。しかしそこに至るまでには越えるべきハードルもあった。リテールマーケティングを高度化し、AIを使いこなす組織になるためには何が必要なのか。詳しくは大和証券とSAS Institute Japanのキーマンが対談した以下のPDFからご確認いただきたい。

また、カスタマー・ジャーニー・マップの作り方やそれに基づくストーリーの作り方などをまとめた「アナリティクスとカスタマー・ジャーニー」と、カスタマー・エクスペリエンスとリアルタイムのコンテクストの重要性を解説した「『決定的瞬間』という機会の最大化」というSASによる2つのPDFを用意した。マーケターならずとも一読の価値がある。

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SAS Institute Japan株式会社