希望の党、突っ走った挙句に早くも息切れ 「小池一極集中」でも矛盾は隠しきれない

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9月28日、日本記者クラブで会見する希望の党代表の小池百合子東京都知事(写真:AP/アフロ)

衆院選に向けた希望の党への「合流」を巡り、民進党の前原誠司代表の"交渉力"が問われる局面を迎えている。

9月30日、民進党本部で全国幹事会・選挙対策担当者会議が開かれた。午後3時から午後7時過ぎまで、4時間以上にわたって“消えゆく党”について意見が飛び交った。合流の基本路線については反対意見が出ることはなく、怒号も飛ばなかったという。しかし、こと公認問題になると、「全員が公認されなかったらどうするのか」など質問には不安がにじんでいた。こうした不安の声に対し、前原代表は「無所属は想定していない」と答えるしかなかったようだ。

しかし、一筋縄にはいかない。希望の党の影響力によって、各都道府県連には顕著な地域差が生じているのだ。

辻元清美氏は希望の党には行かず

三重県など、現在のところ希望の党から候補者が出る様子のない地域では、対応のしようがないという。また北海道は12選挙区中3選挙区を民進党が占めていたが、野党共闘では9選挙区を獲得できるというデータがある。こういう地域は希望の党と組む必要はない。

その一方で切実な選挙区もある。辻元清美氏、平野博文氏という2名の前職を抱える大阪府連だ。

「私は(希望の党に)行きません」。会議を途中で退席した辻元氏は、記者団に囲まれてこう断言した。社民党出身の辻元氏は“排除リスト”なるものにその名前が掲載されている。リベラル色の強い辻元氏と過去に核武装も提唱した希望の党を率いる小池百合子東京都知事とでは、肌合いが一致するはずはない。

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