スシローと元気寿司、経営統合協議開始へ   統合準備委員会を設置

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 9月29日、元気寿司と親会社の神明(神戸市)、スシローグローバルホールディングスは、資本・業務提携を正式発表した。写真は埼玉県川口市で昨年5月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 29日 ロイター] - 元気寿司<9828.T>と親会社の神明(神戸市)、スシローグローバルホールディングス<3563.T>は29日、資本・業務提携を正式発表した。英投資ファンドのペルミラが保有するスシローGHD株式約33%を神明に売却する。

この資本・業務提携は、神明とスシローGHDの経営統合協議の開始を前提としている。

株式の譲渡は、1株4000円、総額380億円。約949万株を2段階に分けて取得し、11月14日が2回目の取引実行日となる。

経営統合協議に際しては、元気寿司1人、神明1人、スシローGHD2人から成る統合準備委員会を設置し、検討を進める。経営統合の時期や形態は今後詰める。両社は、食材調達やオペレーションの効率化、採用面などで相乗効果を見込んでいる。

国内市場では強固な事業基盤、調達力、店舗網を構築し、量・質ともに圧倒的な規模の企業に成長することを目指す。一方、海外市場では、競合他社に先行した展開を行う。元気寿司は、店舗の半数超にあたる約160店舗を海外展開している一方、スシローは韓国で8店舗の展開にとどまっている。

スシローGHDの水留浩一社長は会見で「国内で強い競争力を持ったグループ経営ができる。海外展開にも力を入れたい。元気寿司は160店舗の海外展開している。海外に広げる中で、元気寿司のノウハウも大きな助けになる」と述べた。

一方、元気寿司は近年、「回転しない寿司」の展開にスイッチしている。元気寿司の法師人尚史社長は「オンリーワン企業とナンバーワン企業が組んだ。違う特色を持った両社で相乗効果が生まれる」とした。

元気寿司の17年3月期の売上高は349億円、スシローGHDの16年9月期売上高は1477億円で、単純合算は約1800億円規模となる。業界2位のくら寿司を展開するくらコーポレーション <2695.T>の売上高は16年10月期で1136億円。

富士経済によると、2017年の回転ずし市場は6250億円で、前年比3.2%増と成長を見込んでいる。

(清水律子)

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