制服の次に来た「体操着ディズニー」の真相 高校生の奇抜ファッションに込められた意味

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やっている人も楽しく、見ている人も嫌味を感じない。若者にとって生活がSNSに囚われていることには未だ変わりないが、今や可愛さだけがすべてではない。今後も高校生がユーモアと学生らしさのあふれる体操着を着てディズニーを楽しむ姿を度々目にするだろう。 

原田の総評:「集団で目立つのはよい」という若者心理

現場研究員のレポート、高校生たちによる体操着ディズニーはいかがでしたでしょうか?

過去の若者たちは、個性を追い求め、周りと被ることを嫌う傾向が強かったように思いますが、今の若者たちは「双子コーデ」や「ニコイチ」「サンコイチ」「おそろいコーデ」などという言葉が示すとおり、テーマパークやハロウィンなどのシーンやシチュエーションによっては、「被る」ことを望むようになってきています。

一人で過剰に目立つのは嫌。SNSで拡散されたり、バッシングされてしまうかもしれない。しかし、集団で目立つのは良い、という心理が働いているのかもしれません。

今後も体操着を超えるおそろいコーデがたくさん出てくることになると思います。たとえば、数年前のハロウィンでは、カップラーメンのコスプレなどが流行ったこともありましたが、企業としては、この若者たちのテーマパーク(USJやピューロランドなども)における「おそろいコーデ願望」をうまく利用すれば、自然に彼らが自社や自社製品などの広告媒体になってくれるかもしれません。ぜひ、この若者たちの動向にご注目下さい。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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