「稟議書」が中々通らない人の致命的な6欠点 年100本稟議書を通した男が「通る秘訣」伝授

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<稟議書に必要な5つの記載ポイント>
・承認を求める案件の具体的な「内容」
・その案件を実行する「目的」
・その案件に関してかかる「費用」
・その案件を実行した時に得られるであろう「リターン」
・その案件を実行した時に、発生する可能性のある「リスク」

会社が用意している稟議書のテンプレートは、これらの項目が明確に示されていない場合が多いが、稟議書を書く際は、上記の5項目が漏れていないかどうか、チェックしよう。

2.リスクに対する対処策がしっかり書かれていない

1で挙げた項目のうち、とくに念入りに書いたほうが良い項目は、「リスク」だ。

「稟議書は、一言で言えば『あら探し』をする書類。会社に損失を与えるようなことにゴーサインを出したとなれば、その上司の責任になりますからね。だから、リスクの部分はとくに注目します。ところが、若い人はリスクの記述が甘い人が多い」(海老原氏)

リスクに関しては、単にリスクの内容を書くだけでなく、そのリスクに対処していることを書くことが必要。たとえば「権利関係はクリアしている」「景品表示法に抵触していないかチェック済み」といったことを書くことで、初めて上司は安心する。

リターンの可能性は明確に記せ

3.リターンに関する記述が甘い

リスクに加えて、どれだけの成果や効果が見込めるのかという「リターン」に関する記述が甘い人も少なくない。契約でも物品購入でも、お金をかけた以上は、必ずリターンがあることを示すことが必要だが、「実際には『大口顧客だから値引きして』といった程度しか書いていない稟議書をよく見かけました」(海老原氏)。「今回の取引で値引きすることで、もっと高額な製品の受注につながる」といったリターンの可能性をきちんと明示することが必要だ。

4.ダラダラと書かれていて、まとまっていない

「部下が出してきた稟議書が、長々と書かれている上、意味がさっぱり理解できない。思わず、『日本語がわからん』といって差し戻した」(通信・42歳)というように、現役ビジネスパーソンからは、「内容の前に、文章が意味不明な稟議書を、ちょくちょく見かける」という声が聞かれた。そうした稟議書に共通するのは、ダラダラとたくさん書かれていることだ。よく読まなければわからない稟議書を提出すれば、忙しい決裁権限者をイライラさせるだけ。これでは通るものも通らなくなる。

パッと見てわかるよう、できるだけ少ない文章で、簡潔にまとめることを心がけよう。

また、決裁権限者が補足説明を求めて、呼び出す場合もある。その際に、しっかりと説明や質問事項に対する受け答えができるよう、きちんと要点を整理しておいたほうがいい。

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