Facebookが考えるコミュニケーションの未来 AIが日常の対話を変えていく

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フェイスブック ジャパンのオフィス壁面に描かれたユニークな絵(撮影:今 祥雄)

ARが、バーチャルだけではなく、オフラインの日常の一部になるような時代もすぐそこだと私たちは考えています。

イメージしやすいところだと、あるカフェに自分のスマートフォンのカメラをかざすだけで、以前来店した友人が書き込んだ「ここのラテはおいしいよ!」「スイーツならこれがオススメ!」といった口コミ情報が表示されるようになったり、冷蔵庫に貼っていた家族に向けた「中のケーキ食べていいよ」といったメモも、スマートフォンを冷蔵庫にかざすだけで見られるようになる日がいつか来るでしょう。

動画もVRもARも単発のトレンドではない

VR、AR、AIなどの先進技術は、今ホットな話題ではありますが、前回の記事でご紹介したFacebookの10年ロードマップでも言及したとおり、やはり10年という長期スパンで開発し、コンテンツやプラットフォームを含めたエコシステムをじっくり作り上げるべきものだと考えています。現時点のコミュニケーションの中心はあくまで動画で、10年かけてVR、ARなどの、より没入感の高いコミュニケーションに移行していくのではないでしょうか。

また「今は動画だ」「もうARだ」「いやVRの時代だ」など、こうしたテクノロジーは個々のトレンドとして語られるケースが多いと感じています。個人的にはそうではなく、写真から動画、そしてVRやARへというテクノロジーの進化によって、人と人のコミュニケーションも進化し、多様化していく一つの大きな流れとしてとらえる方が的確だと感じています。

そして、コミュニケーションが進化して、多様化するに連れて、当然、ビジネスと人のつながり、ブランドと人のつながりの形も変わっていきます。次回はモバイル時代のマーケティングについて考えていきます。

長谷川 晋 フェイスブックジャパン 代表取締役

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はせがわ しん / Shin Hasegawa

京都大学経済学部卒。2002年、プロクター・アンド・ギャンブル入社。「パンパース」「ジレット」のブランドマネジャーを経たのち、シンガポールにて「ブラウン」や「SK-II」などのリージョン責任者となる。2012年に楽天入社、グローバルマーケティングの責任者を経て、2014年より上級執行役員としてグローバルおよび国内のマーケティングとブランディングを統括。2015年10月、フェイスブックジャパンの代表取締役に就任

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