「仕事を先延ばしするスキル」が人生に必要だ 「毎日18時頃退社する」ドイツ人はやっている

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ドイツの有名企業・フォルクスワーゲンでは一般社員に社用のスマートフォンを渡していても、就業時間外はサーバーを停止してメールチェックをできない仕組みにしているそうです。ダイムラーでは、社員が休暇中に受けたメールは自動的に削除しているといいます。

やはり、「しない仕組み」を徹底してつくるのがドイツなのです。

それだと翌日に対応しなければならないので、トラブルが起きたときはかえって問題が大きくなるように感じるかもしれません。しかし、実際には大した問題が起きていないから、フォルクスワーゲンでもその仕組みを継続しているのです。

結局のところ、「どうしても今すぐに対応しなければならない案件」は、実際にはそれほどないのではないでしょうか。人の生死がかかわっているのならともかく、そうでない案件は、翌朝の対応で十分なのです。

自分の許容量を超える仕事を任されても、頑張ってこなしてしまうから、日本は抜本的な改革に至らないように感じます。しかし、1人でできる仕事量には限界があります。労働時間を増やすのではなく、効率を上げる方法を考えるほうが、よほど建設的ではないでしょうか。

「頑張って」先延ばしするために

上手に先延ばしするために、今日からでも実践できる考え方をご紹介します。

(1)「今日決めて、明日作業する」感覚

仕事をするうえで、「これを今、絶対やらなくてはならないのかどうか」をつねに考えることは大切です。明日やればいいことは、今日やらない。むしろ、あえてやらない選択をしてみてください。

目の前に「今できる仕事」があると、今日やっておかないと気が済まないという人もいると思います。しかし、明日で済むものは、明日やるようにする。「今できるか」ではなく、「今やるべきか」という判断を行うのです。

そうした決断が遅くなってしまうと、途端に仕事は渋滞してしまうでしょう。だからこそ、「決断は今する、作業は明日に延ばす」という感覚を持つのです。「今日決めて、明日作業する」を口グセにしてみてもいいかもしれません。

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