プロが選ぶ「2017年秋必見の仕事ドラマ3作」 「逃げ恥」ブームの昨秋を超える力作ぞろい

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主なあらすじは、「杉山(沢村一樹)は、かつて一流広告代理店の売れっ子コピーライターだったが、自分の力を信じて独立を考えたものの失敗し、弱小会社ユニバーサル広告社に拾われる。さらに不運は続き、会社は寂れた港町のシャッター商店街に移転してしまった。失意の杉山は、シャッター商店街の店や人々を再生できるのか」。

ビジネス目線でのポイントは、「元売れっ子のコピーライターが寂れた町の小さな仕事に向き合う」という設定。どんな町でも人が住んでいる以上、喜怒哀楽につながる仕事があり、地位や名声ではない、働くことの本質を描くような物語になりそうです。

脚本の岡田惠和さんは、「ひよっこ」を見ればわかるように、市井の人々の日常風景を描く名手。「いかにもドラマ」という大きな事件を起こしたり、極端な悪人などを登場させたりしないため、ビジネスパーソンにとっても身近な物語になるでしょう。

各局のエース級スタッフがズラリ

ビジネスパーソンにおすすめの3作は、いずれも仕事や人生のヒントになるほか、笑いなどの癒し要素もあるだけに、ぜひ1話の放送を見てほしいですし、見逃した人もTVerや各局のオンデマンドでチェックしてみてはいかがでしょうか。

ここまで挙げなかった作品にも、ねつ造されたスキャンダルで夫を失ったヒロインが、週刊誌ライターとなり、復讐へと突き進む「ブラックリベンジ」(日本テレビ系木曜23時59分~、木村多江主演、10月5日スタート)。国が性経験のない30歳以上の男女を集めて教育するというファンタジー作「オトナ高校」(テレビ朝日系土曜23時5分~、三浦春馬主演、10月14日スタート)、BS放送ではありますが、ひさびさの新シリーズとなる「水戸黄門」(BS-TBS水曜19時~、武田鉄矢主演、10月4日スタート)などもあり、バラエティ豊かなラインナップがそろいました。

すべてのドラマを視聴している私から見て、今秋は各局とも、近年で記憶にないほどの力作ぞろいです。昨秋は「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)がブームになりましたが、今秋は全体のレベルが高そうという印象。脚本家、演出家、プロデューサーにエース級のスタッフがそろっていることもあり、忙しいビジネスパーソンのみなさんが「わざわざ見る価値がある」作品が多いことは、ここで約束しておきます。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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