旅客機からパネル落下、走行中の乗用車直撃

大阪市中心部、ガラスが割れるなどの被害

航空機から部品が落ちてきた国道1号の現場(大阪市北区西天満で)

国土交通省は24日、関西空港を23日に離陸したオランダ・アムステルダム行きのKLMオランダ航空868便(ボーイング777―200型)の機体から、部品の一部が落下し、大阪市中心部を走行中の乗用車を直撃したと発表した。

けが人はなかった。落下物が走行中の車両に衝突するのは初めて。国交省は深刻な事態を招きかねない「重大インシデント」と認定し、同社に再発防止を指示。運輸安全委員会は航空事故調査官2人を大阪に派遣し、原因の調査を始めた。

国交省や大阪府警によると、事故は23日午前11時頃に発生。東京都日野市の病院職員の女性(51)が大阪市北区の国道でワゴン車を運転中、車の後部に厚さ4ミリのパネル(縦107センチ、横110センチ、重さ4・3キロ・グラム)が衝突した。車の天井部分がへこみ、後部の窓ガラスが割れるなどしたが、女性と助手席に同乗の親類女性(47)にけがはなかった。

航空機の乗員、乗客は計321人で、23日午前10時40分に離陸し、23日午後9時40分頃(日本時間)に目的地に到着。事故当時、大阪市の上空約2000メートル以上を飛行中だったとみられる。パネルは空気抵抗を減らすため、胴体と右主翼の接続部分に設置されていた。同社が到着後の機体を確認して部品を特定した。

同社は「今回の事故は誠に遺憾。速やかに原因の究明を始めており、日本の航空当局などと緊密に連携していく」とのコメントを出した。

今回の事故を受け、同省は24日、国内外の航空事業者に対し、機体の整備点検の徹底を呼びかける通知を出した。

同省は、飛行後の航空機で部品の脱落が見つかった場合、航空法に基づき事業者に報告を求めており、2009年4月~昨年10月に437件の報告があった。海上や山間部に落下するケースが多く、同省幹部は、今回の事故について「部品が運転席に突っ込んでいれば、大惨事になっていた」と話す。

元日航機長で航空評論家の小林宏之さんの話「今回落下したパネルは、定期点検でねじの緩み具合などを確認し、出発前は目視でチェックするのが一般的で、ねじの緩みが原因となった可能性がある。部品の落下は過去にも度々起きているが、航空各社は、落下物が地上に危害を与える恐れがあることを再認識し、整備状況を検証する必要がある」

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