自分は「売れる商品」かを見極める4つの質問 競争のない分野へ自分を導け

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──普通に会社勤めをする人が、そんな簡単に“新天地”など探せるものでしょうか。

たぶん、スキルを高めていくということですよ。結構チャンスはあると思うんです。強みを磨いて一段一段高めていけば、その人しか占められないポジションを得るチャンスはある。風船と同じで、自分の強みの露出面が膨らんでいくと人の目に触れる機会も増えていくので、「今度これをやってみない?」とか声をかけてくる人が増えます。

あなたの強みが本物かどうか

──そもそも自分の強みとは、才能、技術、知識の掛け算だと。

ここでいう才能は、誰もが必ず持つ性格や資質のこと。そして技術、知識は後天的な学習や経験で身に付く。自分の資質を生かせるポイントを探し、まずは今の仕事を好きになることがあなたの強みを作り、あなたの商品価値を高める近道です。与えられた仕事でも、自分なりに好きな部分を見つけそこを広げていくと、強みの種が見つかる。どうしても好きになれないなら、我慢せずに別の仕事に挑戦すればいい。損切りも大切です。

あなたの強みが本物かどうかは、その仕事が好きか、必要とする人がいるか、ほかに誰も提供できないか、その強みはまねするのが難しいか、の4項目すべてにイエスと答えられるかどうかで検証できます。

──50代以降でも自分の商品価値を作ることは可能ですか?

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自分のバリュープロポジションを考えてこなかった人がこの世代には多い。自分の強みがどういう構造になってるかを一度整理して考えると、本来の商品価値を知る可能性は高いと思います。たとえば、製品にする部品や材料を若い人はまだ持ってないけど、50代の皆さんはお持ちなんですよ。でもその組み立てまではしてこなかった。だからまず自分を振り返って、才能、技術、知識の強みの3要素で自分という製品を組み上げる。

そしてそれに合った仕事を意図的にやっていくとか、自分が生かせるようやり方を変えていけばいい。自分の商品価値をわかっていれば、部会で「この部分は私に任せてください」と手を挙げる機会はどんな組織でも必ずあります。若い人には試行錯誤が付きものだけど、経験のあるシニアはやっていくうちにどこに落とし穴があるか勘でわかる。シニアの起業で失敗率が低いのはたぶんそういうこと。だから、50代でも十分に商品価値を作ることはできる、というのが私の意見です。

中村 陽子 東洋経済 記者

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なかむら ようこ / Yoko Nakamura

『週刊東洋経済』編集部記者

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