自分は「売れる商品」かを見極める4つの質問 競争のない分野へ自分を導け

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もう一つは狙う範囲を絞る。経理部で原価管理ならキミが一番、宣伝部ならコピーづくりはキミが一番、この製品の営業ならキミが一番というような。これをだんだん増やし広げていく。部署の枠を超えていくのでもいいし、原価管理だけでなく管理会計もわかる、でもいい。一製品から、さらにこの製品群なら任せてください、でもいい。最初の強みの芽を育て、広げ、増やしていけばいい。

まず自分の強みを徹底的に考える

──戦わずして勝つための方法が「バリュープロポジション」。

永井孝尚(ながい たかひさ)/1962年生まれ。慶応義塾大学工学部卒業後、日本IBMに入社。マーケティングマネジャー、人材育成責任者として戦略の策定と実施を担当。2013年に退社、ウォンツアンドバリュー設立。著書に『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズほか多数。(撮影:今井康一)

バリュープロポジションとは、相手のニーズに合っていて、自分にしか提供できない価値のこと。あなたの商品価値を高めるためにはぜひとも必要です。バリュープロポジションの作り方は、まず自分の強みを徹底的に考える。そしてそれを必要としてる人やターゲットは誰か、なぜあなたの強みを必要としてるか、ニーズはどこにあるのか、それにどう応え、具体的にどう仕事をするかを考える。

戦いは避けながら、ライバルがいない所で自分しか提供できない価値を提供し続けていく。机上の空論にならぬよう、多くの“お客さん”と接触してターゲットとニーズをつかむことですね。人と会う回数に比例して、自分の価値を本当に生かすチャンスは増えます。

──競争の徴候が出たら早くその場を去り、戦わずに勝てる新天地を探せ、と書かれています。

鮫同士が獲物を奪い合い血に染まるレッドオーシャンで、もがき苦しみ疲弊することを避けるため。細分化されたニーズに敏感に対応し、ポジションを少し横にスライドさせて新天地を目指すことは、それほど無理なことじゃない。

限られた労力は自分の強みを磨くことに使えという意味もあります。同じ労力をかけるなら、苦手を克服するより、強みの才能を伸ばして断トツの強みに育てることに集中すべき。消耗するだけの無駄な戦いには使いたくない。

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