電通社長、違法残業認める…罰金50万円求刑

高橋さんら4人に月最大19時間超の違法残業

違法残業事件で初公判に向かう電通の山本敏博社長(22日午前10時24分、東京・霞が関で)=佐々木紀明撮影

大手広告会社・電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反に問われた法人としての電通の初公判が22日午前、東京簡裁(菊地努裁判官)で開かれた。

電通の代表者として出廷した山本敏博社長(59)は、「間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は同日、電通に罰金50万円を求刑した。公判は即日結審する見通し。

起訴状では、2015年12月に過労自殺した新入社員の高橋まつりさん(当時24歳)の上司を含む東京本社の当時の部長3人が、同年10~12月、労使協定で定めた上限(月50時間)を超え、高橋さんら社員4人に月最大19時間超の違法残業をさせたとしている。

検察側は冒頭陳述で、電通東京本社は15年、違法残業について労働基準監督署から是正勧告を受け、労働時間を社内システムで管理するようになったが、社員の業務量は変わらなかったと指摘。同年中には社内で労使協定を超える残業をゼロにする方針を決めたにもかかわらず、「取引先に理解を求めたり、業務量の削減など、抜本的な改革をしていなかった」と主張した。

一方、社員の労働時間の管理について、検察側は「管理は個々の部長に任され、社員はサービス残業を余儀なくされていた」と述べ、高橋さんら4人の社員が長時間労働を強いられたことについても、「部長が労使協定の上限を超えることを認識しながら労働をさせていた」などとした。

電通を巡っては、厚生労働省が昨年12月、電通と当時の上司を同法違反容疑で書類送検。東京地検は今年7月、上司については不起訴(起訴猶予)とする一方、法人としての電通について、書面審理のみで刑を決めることを想定して略式起訴したが、東京簡裁はこれを「不相当」と判断し、正式な裁判を開くことを決めた。

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