金正恩は「理にかなった行動」を続けている

米ヘリテージ財団のクリングナー氏に聞く

――北朝鮮への予防攻撃の可能性はどれだけある?

私は、米政府職員や、協調関係にある韓国政府職員に会うたびに、その質問を投げかけている。が、その時期によってさまざまな感想を得ることになるので、それが気掛かりだと思っている。

――米政府関係者の中には、米国が予防攻撃を行う意思はないと北朝鮮は思っているという意見もある。つまり、北朝鮮は米国からのいかなる攻撃も想定していないため、不意を突くことができるという見方だ。

大規模な軍事衝突につながらなかった先制攻撃の例として、シリアの原子炉へのイスラエルによる攻撃を挙げる関係者もいる。イスラエルはまた、イラクの核開発を妨げようとして、イラクの原子炉も攻撃していた。これらの早期予防攻撃の提唱は、予防攻撃の選択肢を検討している者が政府関係者の中にはいることを表している。

彼らの主張によれば、北朝鮮もまた、全面戦争を恐れて、少数の主要な標的への戦術的攻撃には対抗しないだろうと。一部の人々がこの方法を議論しているという事実があるのだから、この可能性はゼロではないということは明らかだ。

日米韓の協力関係はどうなっているのか

――しかし、この考え方には大きな間違いがある。

(早期予防攻撃を行えば)大規模な全面戦争に発展する危険性が非常に高い。北朝鮮の戦術的攻撃に米国が対抗することを避けてきたのは、これが理由だ。北朝鮮が予防攻撃にどのように反応するのか、誰も予測できないのだ。北朝鮮による報復攻撃は、間違いなく深刻なものであり、予防攻撃は慎重を期すべきものといえるだろう。

マティス国防長官は最近、一部のアナリストたちが「強硬的」と考える発言をしていると憂慮している。が、それらの発言は長期にわたる米国の追認にすぎない。つまり、北朝鮮の攻撃は戦争行為にあたるもので、米国はこれに応戦するだろう、というものだ。しかし、これは予防攻撃とは別物だ。予防攻撃は非常に危険で向こう見ずな行為だと考えている。

――日米韓の3カ国の協調関係についてはどう考えるか。

米国は、同盟国との関係強化につねに力を入れてきたし、今もそうだ。しかし、これは特に韓国の国民の反感を買わないように、水面下で行うことが大切で、実際には世間が知っているより、3カ国の軍事的連携は行われている。

3カ国とも、軍を統合しないまでも、緊急時においては3カ国の軍事連携が非常に重要なことはよくわかっている。韓国は、米国が日本の協力なしには、韓国を守れないことを知るべきだ。つまり、日本にある軍事拠点を利用しないわけにはいかない。また、日本の地雷撤去技術や対潜戦能力が必要なだけでなく、日本に米艦隊を守ってもらう必要もある。

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