日経平均株価の2万円回復はいつになるのか 外国人投資家の動きは今春の状況と似ている

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日経平均は一気に2万円回復となるのか(写真:TOMO/PIXTA)

北朝鮮情勢の緊迫化によるリスク回避の動きも、ひとまず一服したようだ。12日の日本株は日経平均株価が大幅続伸、終値は1万9776円と約1カ月ぶりの高値をつけた。たった2日間で500円以上も上昇し、2万円回復に向かっているようにも見えるが、一段の上昇があるのか。テクニカル面からアプローチしてみた。

外国人投資家の動向は、春の底入れ時期と似た動きに?

日本株の売買シェアの約7割を占めるのは海外投資家だ。海外投資家が大幅に日本株を買い越ししてくれば、株価の上昇トレンドは誰の目にも明らかになる。だが、そうでなくても、売り越し額が徐々に縮小していけば上昇トレンドへの転換が期待できる。実は、今秋の海外投資家の動きは、今春と3つの部分で似ており、今後の見通しの一つのヒントになりそうだ。

改めて今春の動きを振り返って見よう。日経平均は4月14日に年初来安値1万8335円をつけた。当時を振り返ると、①地政学リスクの高まり(フランス大統領選挙の懸念と北朝鮮情勢のミサイル発射等)、②海外勢の7週連続売り越し(計1.16兆円)、③テクニカル分析でよく用いられる「フィボナッチ計算値」で算出される「38.2%押し」の1万8341円前後で、株価が下げ渋った(38.2%とは、2016年11月安値1万6251円から2017年3月高値1万9633円までの上げ幅に対する下落分に相当)。

その後は海外投資家が9週連続で買い越しに転じ、6月の日経平均株価は年初来高値2万0230円まで買われた。

一方の9月相場はどうか。日経平均株価は8日に1万9274円まで売られた。足元をみると、①北朝鮮など地政学リスクの高まり+米ハリケーンによる悪影響懸念、②海外勢は6週連続売り越し(計0.85兆円)、③「フィボナッチ計算値」で算出される「半値押し」の1万9283円(4月安値1万8335円から6月高値2万0230円までの上げ幅に対して、約半分下がった)前後で反転上昇、下げ渋りをみせている。

さらに、東京証券取引所が発表する足元の4週間の海外勢による売り越し額をみると、現物では2700億円台から600億円台へ、週を追うごとに縮小の傾向が見られる。

次ページ目先は上昇一服、日経平均2万円は「お預け」か
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