北朝鮮問題で今後起こりうる3つのシナリオ

武力衝突か直接交渉か、クーデターは薄い

北朝鮮にまつわる「4月危機」を見ていて、日本では左も右も、その政治的立場を問わず、ある種のセンセーショナリズムに振り回されました。国際関係の基本構造をしっかり踏まえた議論が大きな声にならず、広まりもしませんでした。

私は、「4月危機」に限らず、そもそも北朝鮮問題の大局的な方向として、理論的には次の3つの可能性しかないだろうと考えてきました。

日本では、「これしかない」かのように論じられた

【可能性1】核戦争も含めた武力衝突

核戦争に発展しかねない、あるいは、核戦争一歩手前の大規模な戦争になる可能性も含めてのあり得るシナリオです。

これについては、今回日本では、あたかも「これしかない」かのように、盛んに論じられました。また、それよりも規模は小さくなりますが、「ピンポイント攻撃」や「斬首作戦」といわれる金正恩暗殺計画、38度線を挟んでの交戦なども、北の核問題シナリオの「仮想ではない現実」の可能性として盛んに語られました。

【可能性2】アメリカと北朝鮮の正式な直接交渉

一応、米朝直接交渉の前には、北朝鮮の核放棄が「前提」にならなければなりませんが、じつはトランプ・金正恩首脳会談の実現につながる、正式な米朝直接交渉へ向けた水面下の動きが昨年末からずっとありました。

さらに言えば、北朝鮮が核兵器を持ったままでの、米朝首脳会談が行われる可能性も、以前からアメリカの政府系識者の中には言及する人がいました。

現に、北朝鮮を「核保有国」と認めたうえで、米朝の直接交渉を有力な選択肢の1つと考えるアメリカの元国防長官や元国務次官補が何人もいます。

この2つのいずれかが北の核問題解決の理論的なシナリオなのですが、あえてもう1つ付け加えると、次の可能性もあるでしょう。

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