スタンガンは「安全な制圧方法」とはいえない 警察が使用したケースで全米1005件の死亡例

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ターナー氏の制服に付けたマイクが拾った録音によると、アササさんはこの時、「発作を起こしている」と説明していた。だがターナー氏は後に捜査官に、ウィリアムズさんが発作を起こしていたことは知らず、攻撃的だったため、テーザー銃を用意したと話した。

ターナー氏は、「止まれ、落ち着け」と叫んだ。ウィリアムズさんに手錠をかけようとしたが、ウィリアムズさんはベッドから立ち上がった。

ターナー氏は、「乱暴はやめろ。テーザー銃で撃つ」と告げ、発射した。ウィリアムズさんはベッドに倒れこんだが、再び起き上がった。

ターナー氏は、「動くな」と叫ぶと、再度発射した。ウィリアムズさんは、スタンガンのワイヤーが体にからまり、倒れこんで床に頭を打った。

「助けて。助けてくれ」と、ウィリアムズさんは言った。

「脳内出血」が原因の「自然死」

ウィリアムズさんは起き上がろうとして、頭をベッドの手すりにぶつけたという。ターナー氏は再び引き金を引き、ウィリアムズさんを倒すと、手錠をかけた。救急救命士が足を縛り、鎮静剤を注射した。

ウィリアムズさんは意識を失い、その夜死亡した。

検死官は、「脳内出血」が原因の「自然死」だと判断した。

ウィリアムズさんの家族は昨年8月、郡の消防と警察当局、さらにテーザー・インターナショナルを訴えた。だがテーザー社は、てんかん発作を起こしやすい患者には使用を控えるよう警告していたとの書類を裁判に提出し、家族は同社に対する訴えを取り下げた。

郡の警察署には、多発性硬化症や筋委縮症、てんかんなどの神経や筋肉の症状があることが分かっている患者には、テーザー銃の使用を禁止する規定がある。

地区検察官は、「ウィリアムズさんは自然死だった」として、警察官が犯罪行為をはたらいた証拠はないとしている。

テーザー銃を発射したターナー氏は、事件発生に至る10年間で累計1202時間の研修を受けていたが、精神疾患を抱える人についての研修は1時間だけだった。CIT研修は受けていなかった。また、テーザー銃の使用については、13時間の訓練を受けていた。

裁判証言で、訓練の中でてんかんや発作の症状がある人へのテーザー銃使用について注意を受けたことがあったか尋ねられ、ターナー氏はこう答えている。「それはまったく覚えていない」

(Peter Eisler記者、Jason Szep記者、Tim Reid記者、Grant Smith記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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