「心配性」な人がわかっていない本当の恐怖 ほかでもない自分自身の考えが問題を起こす

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実は私自身、小さい頃からずっと強い不安を抱えていました。

『北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方』(文響社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

7歳のころから、なにか恐ろしいことが起こるに違いない、と想像してばかりいました。なにか変だという気がいつもしていたのです。

25歳になって初めて、自分が不安症だとわかりました。それまでずっと抱えていたこうした気持ちの正体がついにわかり、どんなにホッとしたことでしょう。不安症は不治の病などではなく自分でコントロールできるし、なくすことさえできると知りました。

不安症のためにどれほど気力を奪われ、生き方を制限されていたかに気づいたとき、心配や不安をコントロールできるようになるための必要な努力をする覚悟ができたのです。

これは、私の人生最善の決断でした。

自分でどうにもできなければ専門家へ相談する

恐れや不安を克服する3つの重要ステップ

(1)恐れや不安の発生メカニズムを知る
(2)自分の思考、振る舞い、感情反応、行動の仕方を変える効果的な方法を学ぶ
(3)学んだ新たな方法で、以前は不安に感じたことをやってみて練習する

不安に対処するためのチェックリスト

□ 不安になるその事態は実際に起こりそうか?
□ 状況を現実的にじっくり考えてみる
□ 予想するときは事実に基づくようにする
□ 楽観的情報も含めて、入手可能な情報をすべて活用する
□ 「もし〜だったら」という考えは、事実ではなく空想として扱う

重度の不安症だと、自分ひとりではなかなか克服できないかもしれません。その場合は医師に診てもらい、自分の状態をどう感じているか相談するのも手です。薬物療法を行う場合は、心理学の専門医や行動療法士による行動療法も並行して行ったほうがいいでしょう。

マッツ・ビルマーク インナー・ヘルス・エデュケーション代表

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まっつ・びるまーく / Mats Billmark

スウェーデン、カルマル市生まれ。起業家として働く中、自身の不安症という心の病と向き合ったことをきっかけに、心の病の研究に力を入れ始める。2011年、「インナー・ヘルス」と題した初講演をカルマル市内のホテルで行ったところ、計6回の講演がすべて満員となり大きな反響を呼ぶ。2013年にはこの一連の「インナー・ヘルス」講演をDVD化して販売。

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