千葉県一宮で「波乗り」を始める人たちの素顔

どんな人がサーフィンを始めるのか?

そうした40代の中で一宮町に移り住む人も少なくない。

最寄りの上総一ノ宮駅は特急や通勤快速が停まる駅のため、東京まで最短1時間で通勤できる。朝6時に起きて軽くサーフィンをやってから、特急に座って東京に通勤し、9時半に出社をする。たまに地元の友人から「今日はいい波だぞ!」と連絡がくると、早めに仕事を切り上げて、夕方5時に戻ってきてサーフィンし、その後友人たちとビールを飲んで語らう。

日の出とともに目覚め、海と太陽のエネルギーをもらいながら波と遊び、そして、仕事に向かう。必然的に生活や仕事のスタイルも変化する。決して仕事をないがしろにするわけではない。座っていられる通勤時間を有効に使いつつ、限られた時間で質の高い仕事をこなすようになり、むしろ仕事の効率があがっていく。さらに自然とふれあい健康的な生活を手に入れることで心のゆとりも生まれていく。そんな幸福を40代で手に入れた人々がこの街には沢山いるのだ。

しがらみの多い自分を解放する男たち

一宮町のビーチには芸能人もしばしば訪れる。また、いわゆる「先生」と名のつくような地位の高い職業の人も多くやってくるという。

都会から離れて周囲の目を気にしないでいい環境ということもあるが、そもそも波の上では地位も身分も関係ない。誰でもが平等に波を楽しみ、己の技術を高めていく場所だ。有名だろうが、偉かろうが、マナーを守らなければ怒られるし、うまくできたら褒めてくれる。

しがらみの多い立場だからこそ、平等に接してくれる人たちに囲まれることで自分を解放しているのかもしれない。

また、40代のオッサンでサーフィンを始める人は中間管理職が多いという。そういう人たちにとってサーフィンはこの上ないストレス解消法なのだ。

ボードに座って、ひたすらいい波が来るのを待つ。そして来た瞬間に、足を裁いて水の上を滑っていく。その数秒から数十秒の間、頭の中は真っ白になる。

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ビームスの流儀

1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。