起業して躓いた躁うつ病37歳男性が語る悔恨

「絶好調な自分」は病気のせいだった

取材で会ったヨシマサさんは如才なく、物腰も落ち着いて見えたが…(筆者撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。今回は千葉県在住で、アルバイトで生計を立てるヨシマサさん(37歳)のケースに迫る。彼は記事(高学歴56歳男性が「孤独な貧困」に陥った顛末)を読み、「双極性障害に対して偏った解釈をしてほしくない」と、編集部にメールをくれた。

つらいのはうつ、怖いのは躁

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「自分では躁の兆候に気づけなくて」

「私は躁になると“過集中”してしまうので、躁に走りそうになったら、タイマーをセットして、仕事でも趣味でも1時間以上集中しないようにしています」

「タイマーですか。それ、いい方法ですね!」

「高校生の息子が不登校になりまして。僕の病気が遺伝したんじゃないかと……」

「いわゆる遺伝病ではありませんから。そう心配しないで、まずは病院に行かれたらどうですか」

双極性障害を抱える千葉在住のヨシマサさん(37歳、仮名)。患者たちが集まる当事者会に毎月参加し、時に励まし合い、時に愚痴をこぼし合い、時に情報を交換し合うという。

「同じ障害の人がいるとわかるだけで心強い。症状はさまざまなのですが、僕たちの間ではよく“つらいのはうつ、怖いのは躁”と言います。躁は気力と体力の前借りのようなもので、必ずその後に来るうつでツケを払わされます。いったん躁状態になってしまうと自力ではなかなか抜け出せない。この病気と付き合っていくコツのひとつは、医師や家族の協力を得ながら、躁をいかに食い止め、軽く抑えるかにかかっています」

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