何のために先進国の首脳は集結したのか


 7月に日本で開催されたG8サミット(先進8カ国首脳会議)は、国際協力の悲しむべき状況を示す結果となった。世界の危機は深まりつつある。食料価格の上昇は続き、原油価格も過去最高を記録した。先進国経済はリセッションに突入しつつある。気候変動を巡る交渉は堂々巡りに陥っている。最貧国への援助は増額を約束しながら、伸び悩んでいる。こうした逆境の中で世界の指導者が何かを達成するというのは難しい。

国際的な問題には国際的な解決策が必要である。しかしG8の指導者は何一つ解決策を提出することができなかった。サミットに参加した政治家の多くは自国では不人気で、国際的な指導力を発揮できる人物は誰もいなかった。彼らの政治的立場は脆弱で、共同行動を取る能力がないことを世界に露呈してしまった。

四つの重要な問題がある。まず米国の指導者の支離滅裂さである。米国が単独で国際的な問題を解決することができた時代は昔のことで、現在では国際的な解決策を提案することさえできなくなっている。クリントン政権時代は希薄ではあったがそれでも国際協力を行う意志はあった。だが、ブッシュ政権ではその意志さえなくなってしまった。

二つ目の問題は、国際的な金融支援の欠如である。貧困国が食料増産支援を受けることができれば、飢えは克服できる。世界が新エネルギー開発で一致団結して投資を行えば、エネルギー危機と気候変動は克服することができる。各国が協調して投資を行えば、マラリアなどの伝染病は克服することができる。環境保護に向けた共同投資を行うことができれば、海洋汚染や熱帯雨林の消滅、大気汚染を阻止できる。

国際的な解決策を実施するのに多額の資金はいらないが、ただというわけではない。貧困撲滅、食料増産、新クリーン・エネルギー技術の開発を行うには年間で約3500億ドルが必要である。だがこれは富裕国のGDPの1%にすぎない。十分に調達可能な額で、軍事費に比べればわずかなものである。しかし、G8が実際に提案している額よりは大きい。ブラウン英首相は財務相時代の2005年のG8サミットで他の欧州諸国にわずかな支援を行うと約束させるために甚大な努力をした。しかし、それは厳しい戦いであり、結局、勝利することはなかった。

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