子どもの貧困を救う「返礼なし」ふるさと納税 東京・文京区が始めた「こども宅食」の狙い

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「強いてあげるならば、それによって子どもたちの生活が支えられる、世の中が変わっていくという『変化』が返礼品となります。ふるさと納税を文京区にすることで、文京区の一般会計にいくのではなく、この『こども宅食』という事業にそのまま全額いくという形で、人々のふるさと納税という寄付によって回っていくという仕組みになります」

「ふるさと納税のあり方に一石を投じたい」

成澤文京区長は、「ふるさと納税の返礼品競争に一石を投じたいという思いがあった」と話します。

「昨今返礼品主体の競争に対する批判は厳しいですが、われわれも10億円、僕は被害額と言っていますが、ふるさと納税で文京区でも出ていっています。今回貧困家庭の子どもを救おう、幸せを届けようという目的によってふるさと納税のあり方に一石を投じたいという思いもありますし、そのことが子どもの幸せに直接つながるということで、このプロジェクトに賛同しました」

ふるさと納税は、①栄養バランスをよくするための食料の買い足し、②配送料、③スタッフの人件費、④食品を保存する倉庫費用、などに活用される予定です。

それぞれの専門性を生かして

「こども宅食」は、文京区と5つの非営利組織による共同事業体によるプロジェクト。記者会見に出席された、フローレンスの駒崎さん以外の4団体、また専門家の方からのコメントをそれぞれ紹介します。

▷一般社団法人RCF・藤沢烈さん「今回大手の企業様に食品をご寄付いただくことになっていますが、RCFの役割としては、その部分の企画を立案したり調整をさせていただいております。企業としてもこの事業が非常に有効であって、継続的に食品を寄付し続けることが大変大事なんだということをご理解いただいて、参画いただくということが私の役割になっております」

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