金銭感覚がない子の末路は、一様に悲惨 親子でおカネの話は下品でタブー?

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親子間でおカネの話をタブーにしてはいけない

昔、何かの本で読んだエピソードを思い出します。アメリカの、とある裕福で堅実な家庭の教育のひとつとして紹介されていたのですが、そこでは一家で高級レストランへ行くときは、夫婦と子供の席は必ず別々だというのです。夫婦が子供たちにいわく、「あなたたちも私たちのように高級料理を食べたければ、働いて自分の稼ぎで注文できるようになりなさい」。当時はそこまでする必要があるかなぁ、という感想でしたが、今では納得のいく教育だと受け止められます。

夫婦共働きで、超庶民的な家計のやりくりに追われるある友人は、高校生の子供がいろんな習い事や塾へ通い始めては、簡単に辞めるので困っています。高額な入学金が無駄になっていくわけで、家計を圧迫しているというのです。私は友人に、1カ月の夫婦の収入と絶対必要な支出を子供に公開して、教育費につぎ込めるのはこの範囲内だと教えるべきだと助言しました。

友人は「おカネのことを子供に言うなんて、とんでもない。そんなことを言ったら、あの子はすべての勉強をやめるに違いない」と言うのです。ならば辞めさせよと言いましたが、相談する相手を間違えたという顔つきでした。

今回の寄稿文では、子供さんのほうからおカネの出入りを知りたがっているのに、親のほうが、その話をタブーにしています。日本ではまだまだ親の世代で、おカネの話をするのは品がない、あるいはおカネの心配を子供にさせるのは親の不甲斐性、という考え方があるようです。

経験上、断言できることですが、親子でおカネの話をすることや適正な金銭感覚を持たせる教育は、三度の食事をさせるのと同じくらい大切なことです。決してタブー視すべき問題ではありません。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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