"ダメな会議"症候群を脱するには? 真のPDCAサイクルを修得せよ

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PDCAを短期間でグルグル回してスピード勝負

グローバル時代はスピードが命である。世界中に散らばる競合が次々と新機軸を打ち出してくる。そのような時代に、議論や計画段階でずっととどまっていたのでは、たちまち置いていかれてしまう。

では、どうすればいいのか。会議の目的を「全員の合意を得ること」から「仮説を立てること」「立てた仮説を検証すること」にシフトすればいいのである。

誰も異論を挟む余地のない完璧な計画を立てようと思うから、時間がかかるし、なかなか合意が得られない。であるなら、最初から計画に完璧さを求めない。決めるのは、あくまで仮説だと割り切ってしまえばいい。「この方針でとりあえずやってみよう」という道筋だけを決めておくのだ。

「ちゃんとした計画を立てずにプロジェクトを進めても大丈夫なのか?」と、心配する方もいるかもしれない。だが、それでかまわない。ちゃんとした計画を立てるまで何も動かないより、とりあえず方針だけ決めて動き始めるほうが何倍もいい。動かなければ成果はゼロだが、とりあえず動いてみれば、何らかの手応えがつかめる。うまくいけばそのまま続ければいいし、何か問題が発生したら、そのつど修正を加えていけばいいのである。

一方、時間をかけて細部まで詳細に作り込んだ計画は、いざというときの環境変化に弱い。半年後、1年後に市場環境がまるで変わってしまったとしても、ガチガチに組まれた計画を予定どおりに消化するだけで力尽きてしまうというのはよくあることだ。環境変化に臨機応変に対応することができず、結局、当初の目標も達成できないまま、プロジェクトそのものがうやむやのうちに終了する。そういう経験をした方は多いのではないだろうか。

これだけ変化の激しい時代に、事前に完璧な企画はつくるのはどだいムリな話なのだ。だとすれば、半日で大ざっぱな仮説を立ててすぐに実行し、結果を1週間後にすぐに検証する。問題がなければそのまま次の週に進み、問題があれば修正を加えて、1週間後に再チェックをかける。そうやって、小まめに修正を加えながら、チームのコンセンサスを得ていくのである。

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