急成長のSaaSベンチャーから学ぶ! すごいベンチャーカンファレンス the 2nd

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ディスカッション
実践者が直伝
これが「SaaSベンチャー急成長」の方程式

佐々木大輔氏/freee 創業者・代表取締役

個人事業者・中小企業向けクラウド型会計サービス、freeeの佐々木大輔氏は、創業当初は営業組織を持たず、一定割合で課金ユーザーになると期待できるトライアルアカウント数獲得にマーケティングオートメーションを中心に専心したと振り返った。現在、小規模にはマーケティングオートメーションと内勤営業の組み合わせ、中堅・成長企業には外勤営業を展開。KPIには、課金事業者数、MRR(月間経常利益)、MAU(月間アクティブユーザー数)を挙げた。

鈴木悟史氏/スタディスト 代表取締役

ビジュアル・動画ベースのマニュアルを簡単に作成、配信できる「TeachmeBiz」を提供するスタディストの鈴木悟史氏は、当初は導入事例づくりと発信に注力。その後は、サービス体験会を軸に営業を展開してきた。顧客維持には、操作手順を明快に説明できる同社サービスで作成したマニュアルを活用。キャッシュの回転を重視した段階から、今は世間への普及度を示す数字として新規MRRを追っていると述べた。

ポール チャップマン氏/マネーツリー 代表取締役

個人資産管理アプリを提供しているマネーツリーのポール チャップマン氏は、金融機関や会計ソフト向けのAPI・金融インフラプラットフォーム、MT LINKで収益化が軌道に乗ったと強調。指標はARPU(ユーザー一人当たり平均売上高)などとCAC(顧客獲得コスト)のバランスからマーケティングのやり方を判断。ARPUが低い個人は自動化でコストを抑え、高い銀行などの場合は、コストをかけて営業担当を送る戦略を説明した。

人材開発
初公開! Salesforceの成長を支える「営業人材開発」の仕組み

山下貴宏氏/セールスフォース・ドットコム Sales Enablement, Director

セールスフォースの山下貴宏氏は、営業組織・人材強化の総合的施策を進めるセールス・イネーブルメント(SE)部門について説明した。営業人材開発におけるトレーニングの効果は10%程度に限られ、残り90%を占める「規範となる人のアドバイスや模倣」「仕事上の経験・問題解決」の仕組み化が重要。同社は、専門のSE部門を人材開発と営業経験者で構成している。施策は「営業活動とその結果などのデータを起点にすべき」と指摘。システムを活用して、新規創出案件数、商談日数、成約率などの指標から課題を抽出する。SE部門は、現場のマネジャーとも協業しながら、中途新人の立ち上げ研修や、営業担当のコーチングプログラム、営業支援ツールの開発、提供をして、営業力強化を担う。「まず、業務データの標準化と、専任のSE担当を置くことから検討を」と促した。

キャリアマネジメント
稼ぐ営業組織のキャリアマネジメント
組織と個人の成長を繋げ、パフォーマンスを最大化させる
仕掛けとは

寺本裕一氏/セールスフォース・ドットコム コマーシャル営業 第2営業本部第2営業部 部長
鈴木淳一氏/セールスフォース・ドットコム 同インサイドセールス本部第二事業部 事業部長
前川洋平氏/セールスフォース・ドットコム 同コマーシャル営業第2営業本部第5営業部 部長

セールスフォース・ドットコムの三人のマネジャーが営業組織のキャリアマネジメントをテーマに語り合った。寺本裕一氏は、営業人材育成について、計画を達成の仕方に落とし込み、個別の顧客に応じた提案のやり方などの実戦的方法をアドバイスし、進捗管理し、メンバーをやる気にさせることがマネジャーの役割と定義。「退職の最大の理由は閉塞感。対話を通じて、問題を抱える部下をメンテナンスし、将来のキャリアを見えるようにすることは大事」と述べた。

鈴木淳一氏は、内勤営業部門に多いミレニアル世代の若者への対応について説明。細かなコミュニケーションと軽く褒めることが大事として、成功時にアイコンバッジを贈る取り組みが成功しているとした。また、公正な評価を求めるので、クリアな基準で作成したランキングの公表が「健全な競争を生み、全体の好成績につながっている」と述べた。

入社後、内勤営業のインバウンド、アウトバウンドを担当、そこから外勤営業に転じて中小からより規模の大きな企業の担当と、同社のキャリアパスの順を追って昇ってきた前川洋平氏は「各セクションを経ることで営業に必要なすべてのスキルを身に付けられた」と振り返った。部下のキャリア面談は「希望は変わるので定期的に個別のコミュニケーションが必要」と語った。

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