「日本サッカー」の現状、釜本邦茂が一刀両断 日本代表「得点力不足」の原因はどこにあるか

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現役時代に日本代表Aマッチ76試合75得点という輝かしい成績を残した、釜本邦茂氏。日本代表史上最高のストライカーと称賛される釜本氏の日本代表に対する思いとは(撮影:佐久間秀実)
8月31日の今夜、勝てば6大会連続のワールドカップ出場が決まる大一番、サッカー日本代表のオーストラリア戦が行われる。1968年メキシコ五輪でチームを銅メダルに導き、自身も得点王に。日本代表歴代最高のストライカーとの呼び声も高い釜本邦茂氏は、今の日本サッカーと代表チームをどう見ているのか。自身も出場した1964年東京五輪から現エースの本田圭佑の移籍、日本の未来を担う久保建英まで、日本サッカーの過去と現在、そして未来を語った。

 

――まもなく日本代表とオーストラリアとの決戦が行われます。

今ね、結局代表チームの選び方というか、監督がどういう選び方をするかがまとまってないよね。日々のトレーニングの中で選手が変わっていくからね。昔だったら「こうだ」という固定されたメンバーの中から少し変わるだけだったのに今、誰が自分の横のポジションにくるのかわからない。

たとえば、この前のイラクとの試合にしても、日本でシリアとテストマッチをやってからメンバーを大幅に替えているからね。何であんなになるのかなと思う。

本田の最適なポジションはどこか

――監督に迷いがあるのでしょうか。

そこはよくわからないけど。何のためにテストマッチをやったんやということになるよね。本田をトップ下やサイドで使うなら動きの量を倍にしなきゃあかんわ。全然動いてないやん。パスを出したら終わりで連動性がないやん。

だから僕は子供たちに何度も言うんや。お前は本田のような選手になりたいのかと。冗談でそういうことをよく言うよ。やっぱりトップがプッと動いたらその後にビュッと入っていくとか、トップ下はボールを集めるだけとは違いますよね。彼がどう思っているかわからないけど。

トップ下というのは、ボールサイド、ボールサイドに出ていくわけでしょ。動いた後に出ていかなあかんやん。そうしないとトップレスになっちゃうから、そう考えると彼はトップにおるほうがええよね。トップは動かなくてええやん。

――本田選手をトップのポジションに置いていた南アフリカW杯の時のように、ということでしょうか?

あの時がいちばん輝いていた。あとの奴らは死に物狂いで走っていたけどな。昔は僕らでもそうやった。相手のボールを奪ったらトップに当ててキープして両サイドがキューッと動いて出ていくのを待って、展開していくというような。彼は身体が強くてボールの受け方がうまいから、ええなと思うけどね。

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