「自販機」を持つ人の知られざる儲けの仕組み その歴史の深さと意外なる事実を紡ぐ蘊蓄

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世界随一の自販機大国、日本(撮影:今井康一)

21. 自販機普及台数世界一は米国で約645万台(2013年)

22. 日本の普及台数は世界2位で約500万台

23. 国土面積を勘案した普及率、設置密度、総売上において日本が世界随一の自販機大国といえる

24. 日本の自販機全体の売上は5兆円に達する。うち飲料自販機は約2兆円

25. 自販機普及台数は2000年にピークとなる561万台、総売上金額は7兆1123億円を記録した

26. 飲料自販機の消費電力は1991年からの20年間で70%以上削減。省エネ法の目標値を1年早く達成している

27. 消費電力の大幅削減はゾーンクーリング、学習省エネ、ヒートポンプ、照明の自動減光、真空断熱材などの技術の開発、導入によるもの

28. ゾーンクーリングは庫内全部ではなく、もうすぐ売れていく商品だけを冷やすことで消費電力量を減らす機能

29. ヒートポンプは、庫内の冷却装置から出る熱を再利用しホット商品を温める方式のこと

省エネ機能を自動的に働かせるマイコン内蔵

30. 学習省エネは、内蔵マイコンがこれまでの売行きデータなどを分析し、ゾーンクーリングなどの省エネ機能を自動的に適切に働かせるという仕組み

31. また明るさのセンサーやタイマーを内蔵、屋外の自販機は昼間消灯など照明の点灯時間をコントロールする

32. コカ・コーラ社は2013年、朝から深夜まで最大16時間、冷却のために電力を使わず夜間だけ冷却して24時間冷たい飲み物を提供可能な「ピークシフト自販機」を導入

33. 飲料自販機の年間消費電力量は1999年に約75億kWh。2015年には20億kWhまで減少

34. かつて1台当りの飲料自販機の消費電力は1世帯分に相当するといわれたが、現在は冷蔵庫2台分程度

35. 自販機の運営形態は大きく分けてフルオペレーション(フルオペ)とセミオペレーション(セミオペ)の2つ

36. フルオペは事業主が設置場所を提供し、商品補充、売上金の集金、メンテナンスなど自販機業者側が担当するもの

37. セミオペは設置場所の提供だけでなく、仕入、集金、メンテナンスなどを事業主側が負担する代わりに売上もすべて事業主側の収入となるもの

38. 一般的にフルオペで自販機を設置するのに事業主が負担するのは設置場所と電気代のみ

39. 自販機を設置した場合のマージンは売上の15%~20%程

40. 飲料自販機 1台あたりの年間平均売上金額は1999年にピークの130万円、2015年は83万3000円

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