ファンケルのゴルフ大会、毎年大盛況の理由 大イベントを会社はどう盛り上げているのか

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この大会は高校生以下と70歳以上が無料。前売り券は3日間通しで3000円に設定している。

そして、ここもポイントなのだが、ギャラリーは入場するときに「お土産」をもらう。大会のオリジナルタオル、ドリンク引き換えチケット(ドリンク用・青汁用各1枚)、500円OFFクーポン(ファンケルの通信販売・直営店舗の双方で使える)に加え、女性がたぶんうれしいクレンジングクリームや泡洗顔料、あるいは、こちらはおそらく男性がうれしいウコンドリンクやアミノ酸含有食品などファンケル製品が入っている。

ゴルフのほかにも多様な催しで、子どもも楽しい

ファンケル社長室広報グループの富田敏裕氏と油井紀理子氏に話を聞いたところ、まずこの大会は「みんなにファンケルのことを知ってもらう」のが大きなテーマのひとつなのだという。

ギャラリーの中でも、すっかり常連となって勝手を知っている女性は、まず筋力や骨の老化度を測る「健康チェックコーナー」(約3000人参加)や「洗顔パウダー泡立て体験コーナー」(約2400人参加)を目指す。

入場者に配られる「お土産」。青汁引換券などシニア向けのものあれば、子ども向けに塗り絵のノートなども用意されている(写真:筆者撮影)

子どもの夏休み中、親としては、一緒に過ごすのにゴルフ観戦を選択するにはたぶん勇気が必要だろう。子どもにとってはまったく知らないおじさんたちを見に行くのだし。

そこで、子どもたちは乗馬体験などもできるキッズパークへ。託児所もあって、まずそこに向かう若い夫婦の姿も多い。今年は子どもたちには塗り絵ノートとクレヨンのプレゼントもあった。

子どもから大人まで、ゴルフ観戦だけではなく楽しめるように工夫している。もちろん、ほとんどの催しで自社製品を使っている。新製品や企画品で金額は算定できないというが、相当な支出だろう。

こうした催しをコース内で行っていて、プレーの邪魔にならないか。そこは、さすが経験豊かなシニアの選手。レギュラーツアーのように「お静かに」をあまり気にしないので、少々子どもの声が聞こえても平気。むしろ「子どもが来てくれるなんてうれしいことだよ」と余裕すら感じさせる選手が多い。

さまざまな催しを行っているのはほとんど社員。胸にぶら下げているネームホルダーには、名前と会社での部署、その部署でやっている仕事の内容などが書かれている。「こういう仕事をしていますということを知ってもらって、ギャラリーとの距離を縮めるため」なのだという。実際にそれを見たギャラリーから話しかけられることもあるという。

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