「国際ネット婚活」で結婚した日本人妻の現実 オーストラリア生活に高度な英語は不要?

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「2年間同棲していましたが、私は美容関係の勉強をしにアメリカへ行くつもりでした。留学する前に結婚してほしい、と彼から強く頼まれて……。子どももいなかったのでアメリカには単身で渡りました」

学生ビザが切れるまでの5年間滞在した。前夫は寂しさからか遊びにハマって借金を作り、真奈美さんのほうはすでに彼から気持ちが離れていた。自由になりたい、と切り出したのも真奈美さんのほうからだ。

「彼は別れたくないようでしたが、私の夢を邪魔したくないとも言ってくれました。弱いけど優しい人だったんです。もう音信はありませんが、風の便りで今では再婚して子どももいると聞きました」

アメリカ留学を大いに楽しんだ真奈美さん。しかし、就労ビザはもらえずに静岡の実家に戻った。ちょうど40歳になっていた。美容関係の仕事に就き、友人と店も出したが、収入は安定しない。これから先の人生をどうしていくのか。独りのままは寂しいし、頼れるパートナーが欲しい。ただし、地元で結婚相手を見つけると失敗することは経験済みだ。

中学生レベルのボキャブラリーしかないけれど

「40歳を過ぎた女性が結婚できる確率は数%だと知って、ヤバい!と思いました。私はキャリアもないし美人でもありません。(出会える独身男性の)分母を広げるためにも国際ネット婚活を始めたんです。私はいまだに中学生レベルのボキャブラリーしかありませんが、英語でコミュニケーションを取るのは嫌いではありません。アメリカ留学時代も何人かとデートしていましたが、甘い言葉で直接的に口説いてくれる海外の男性はいいなと思っていました」

真奈美さんは3つのサイトを利用した。いずれも公用語は英語であり、うちひとつは在日米軍の男性が日本人女性と出会うためのサイトだ。真奈美さんは100人以上の男性とメールのやり取りをし、3人の男性と直接会い、うち2人とは半年ずつ交際した。100人以上とメールして、お見合いしたのは3人。効率が良い出会い方とは言えない。しかし、特に無料サイトには不誠実な利用者も多いので注意が必要なのだ。

「スカイプでお互いの顔を見ながら話していたとき、ちゃんとアメリカ軍で働いていることを確認するためにIDカードを見せてほしいと頼んだら、すぐに音信不通になってしまった人もいます。詐欺の被害に遭った女性もいるので気をつけなければなりません。でも、何十人とメールをやりとりしていれば相手に誠意があるかないかはわかるようになりました」

交際した2人は誠実な人だったが結婚には至らなかった。真奈美さんはさらに「分母」を広げることを決意する。年齢の幅を5歳上ではなく15歳上まで拡大するのだ。そして、オーストラリアで公務員をしているマイケルさんと出会うことができた。

真奈美さんが「顔の長い」欧米人男性に漠然としたあこがれを抱いているのと同じように、マイケルさんにはアジア人女性への興味があった。彼によれば、特に日本人女性は「おカネ目当てではなく、誠実で、キレイ好き」との印象らしい。なお、自分が50歳を過ぎていたため、若すぎる女性は避けたいと思っていた。海を越えて、2人の需要がマッチした瞬間である。

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