わが子の交際相手が期待外れな場合の対処法 「孝行」を目当てに子育てしてはいけない

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私は多くの立派な人に接してきて、つくづく確信するに至ったことが一つあります。世のトラブルは、考え方次第で、大きくも小さくもなることが多いということです。特に家庭内問題では、親が短気か寛大か、または知性や価値観、愛情表現の差などで、柱が倒れても楊枝が倒れた程度の問題で解決したり、その逆の現象が起こっていることです。

家庭問題でも然りで、柱が倒れたような大きなトラブルにも、爪楊枝が倒れたにすぎない受け止め方で、つねに冷静に大らかな心で対処する親御さんは結構います。私は、このような人たちの価値観やモノの考え方に何度驚嘆し、学んできたかわかりません。

あまりの冷静さに、「えっ? これがそんなに小さな問題なの?」と驚いたことは数知れませんでした。従来の価値観に縛られず、家族を信じ、家族でも下手に縛らずしがみつかないことで、大ごとにならない問題が多いことを学びました。

厳しい意見を言って、あとは見守るべき

お嬢様もよく頑張ってこられました。健康に育ってくれたことにも感謝です。それに彼女を育てる過程であなたが感じた幸福感も、たくさんおありでしたでしょう。それで十分ではないですか。

確かにシングル親ならではの特別な苦労はあったでしょう。でも夫婦でいたからこそ、余計に苦労を背負った人も多いのです。ことさらシングルで大変だったとか、または再婚もあきらめて育てたとする認識は賛成できません。

どうしても一言言いたければ、「SNSで偶然知ったけど」と言って、あなたから親ならではの心配事や厳しい意見を言えばいいのです。そしてあとは、見守るだけです。

今の段階で親への裏切り・親が払った犠牲と結び付けるのは筋違いです。過干渉は避けましょう。“この手のトラブル”の大きさは、考え方次第、接し方次第ですよ。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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