「疲労回復ウェア」をつくった男の波瀾曲折 「床ずれを解消したい」という一心で実現した

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「将来は自分の思い描いたとおりになるものだ」と口癖のように言われて育ったという中村太一さん
「行動のみが世界を変えていく」――世界初の特許素材を用いた「リカバリーウェア」を開発した、ベネクス代表の中村太一さん。発売以来、多くの著名なアスリートの間で人気に火がつき、世界でも爆発的なヒットを記録した革命的スポーツウェアには、どんな挑戦があったのか。借金1億円超えから、累計45万着の大ヒットに至るまで。予想外の連続を乗り越えた行動力の源とは。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりインタビューをお届けします。

世界が驚いた“リカバリーウェア”は予想外の連続だった

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

――「リカバリーウェア(回復する服)」が話題です。

中村太一氏(以下、中村氏):私たちが製造、販売するリカバリーウェアは、PHT(プラチナ ハーモナイズド テクノロジー)という、世界34カ国で特許を取得した新特殊素材でつくられています。ナノプラチナなど、粒子状の鉱物を一定の割合で繊維に練り込んだもので、鉱物の発する電磁波が自律神経の「副交感神経」を高め、血行促進や免疫細胞の活性化の作用することに着目して開発されたものです。

2009年に、運動後の休養時専用ウェアとして発売以降、日本代表選手をはじめとするスポーツ関係者に愛用され、今ではアスリートだけでなく、日々の疲労軽減や安眠効果から、高齢者や主婦、ビジネスパーソンにも広がり、おかげさまで全世界45万着を突破しました。

――特許技術と独創的なアイディアが用いられています。

中村氏:もともと私がいた介護業界での経験から「寝たきり老人の床ずれを解消したい」という想いが生まれ、それを解消する介護用ベッドマットの開発に着手したところから始まりました。ところが前例のないアイディアに対し、大手の素材会社や開発会社からは門前払いの日々。なんとか開発まで漕ぎ着くも、その後「ある誤算」から、渾身の作だった会社の主力商品がまったく売れず、と予想外の連続でした。

開発から日の目を見るまでの間、協力してくださった大学の研究者や企業の方々、行政やバイヤーさんなど、多くの方々に支えられました。こうした出会いはすべて、独創的な発想でもひらめきでもなく、すべては「行動」が引き合わせてくれた結果だったように思います。そしてそれは、自分自身が「ある日突然人生が終わるかもしれない」と感じた経験が、原点になっています。

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