バルセロナの街は卑劣なテロに負けはしない 「私は恐れない!」黙祷の後で人々は叫んだ

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しかし、バルセロナでの会話は、少なくともバーの地元の人々やタクシーの運転手の間では、前を向くものだった。

そして、そうするだけの何百万もの理由がある。2016年、この海辺の街には、およそ1100万人の観光客が集まった。海辺は、若いスペイン人や外国人を惹きつける。クルージングのできる港は毎日、年配の観光客のグループを迎えている。

28才のオーストラリア人、マット・フォーモサ氏は、テロの後、この街に起きた変化はごく小さい、とハフポストに語った。「私はここに1週間いますが、今朝は少し静かだと思います」と彼はバルセロナで自転車に座って話した。「テロのせいで立ち止まるつもりはありません。そんなことをしたら、何もしないのと同じだ」

バルセロナ特有の抵抗の方法

一方、ロンドンから、バルセロナのエル・プラット空港へ向かう朝一番のフライトを待っている人々は、テロのレポートや写真が掲載された新聞を堂々と読んでいた。「テロを理由に延期はしません」。ある乗客は平然と言った。

そして、観光業に携わる人々の態度には、バルセロナ特有の抵抗の方法が明らかに浮かんでいた。

人通りの多いランブラス通りでのテロによって、被害を受けた露店の店主の中には、事件翌日もいつも通り店を開ける人もいた。「私たちは店を開けます。もちろんです」。ある露店の接客係はハフポストに語った。「でも、3時には店を閉めますけど」。

18日が終わりに近づく頃、店、レストラン、バー、ホテルの商売は、大繁盛していた。街の空気は素早く、かつ同時にゆっくりと通常に戻っている。「もちろん、私たちは先に進まなくてはいけません」とダニエルズ氏は簡潔に言った。「そうしなければ、彼らが勝つのですから」

(文:George Bowden)

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